知っておきたい!水の用語集

水道水がカビ臭い?2-メチルイソボルネオール(2-MIB)について解説

2-メチルイソボルネオール(2-MIB)とは?

2-メチルイソボルネオール(略して2-MIB)とは藍藻類が生成する化学物質です。藍藻類とは別名シアノバクテリアと呼ばれる植物プランクトンの一種で、海水、淡水、土の中にもたくさん生息しています。藍藻類は水道水の中にも存在している場合があり、水道水中に2-MIBが生成されるとカビ臭の原因となります。カビ臭の原因になる物質は複数存在し、2-MIBはそのうちの1つです。

水道水のカビ臭について

日本で水道水にカビ臭が発生したのは1951年8月の神戸市の事例が最初です。カビ臭が発生するにはある程度水温が決まっています。20℃〜30℃程度の水温で発生する場合が多いですが、時には10℃〜15℃で発生する場合もあります。

日本ではカビ臭の原因物質についても水質基準によって規制されており、2-MIBを始めとしたカビ臭の原因物質は1リットル中に0.00001mg以下と決められています。これは「ほとんどの人が臭気を感じない」レベルです。

日本の水道水はこれだけ厳しい基準で管理されていますが、水源に藍藻類が大量に発生した場合には通常の浄水処理では完全には臭いが除去できない場合もあります。その際には粉末活性炭を利用した特別な浄水処理にかけて臭いを除去し、水質基準を満たすようにします。

2-メチルイソボルネオール(2-MIB)の人体への影響は?

2-MIBに毒性はありません。よって、飲んだからといって健康を害することもありません。ただ、2-MIBが一定以上含まれると水がカビ臭くなるので、生活用水としての品質は下がると言えるでしょう。健康被害が無いのに水質基準の項目に含まれているのはそのためです。

水道水法に規定されている水質基準には「健康に関する項目」と「水道水が有すべき性状に関する項目」があります。水道水が有すべき性状とは、つまり人間が飲んだり、生活用水として使えたりできるかという意味です。2-MIBの基準は「水道水が有すべき性状」の項目に含まれています。

2-メチルイソボルネオール(2-MIB)の除去方法

浄水場での除去方法

2-MIBが大量に発生して水道水が臭くなると、浄水場では特別な浄水処理を行って2-MIBを除去します。2-MIBの除去には粉末活性炭による除去方法が一般的に用いられます。具体的には粉末活性炭を水に注入して2-MIBを吸着させたあと、粉末活性炭入りの水をろ過してきれいな水だけを採る方法です。

一方、高度浄水処理施設を有する浄水場では、オゾンと粒状活性炭で2-MIBを除去します。高度浄水処理で2-MIBを除去すると臭いはほとんど感じないレベルまで浄水できます。高度浄水処理施設は東京、大阪、千葉、京都、兵庫、福岡などの自治体で導入されています。

家庭での除去方法

水道水を沸騰させれば2-MIBの臭いは低減されます。その際には蓋をせずに沸騰させるのがポイントです。また、2-MIBの除去を目的に水道水を沸騰させる際には換気を十分に行いましょう。

水道水を沸騰させるのが面倒ならば、浄水器を使うのも良いでしょう。活性炭を用いた浄水器は2-MIBの除去に効果的です。ただし浄水カートリッジの期限が切れていると効き目が無くなるので、交換時期をしっかり守りましょう。

まとめ

2-メチルイソボルネオール(2-MIB)は水道水のカビ臭の原因物質です。それは藍藻類と呼ばれる植物プランクトンが生成します。2-MIBの健康被害はありませんが、悪臭で水が不味くなるので、水道法により水質基準が定められています。家庭では煮沸や浄水器により除去できます。ただし、殺菌のための塩素も除去されてしまうので、煮沸や浄水器によって浄水した水は早めに飲みきることをおすすめします。

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