Vol.1
開発のきっかけと想い

お客さまの声からプロジェクトが動き出した。

2017年頃、天然水の宅配型ウォーターサーバーブランド「コスモウォーター」を主軸に展開していましたが、お客さまの声をきっかけに「ハミングウォーター」の開発がスタートし、2年以上の年月をかけたプロジェクトに。

大原

カスタマーセンターに寄せられる「ボトルの持ち運びが面倒」という声が非常に多かったです。そのため、「ボトルレスなウォーターサーバーをお客さまに提供できないか?」という話になりました。

白石

世の中の関心事としてSDGsに注目が集まり始めたタイミングだったこともあり、「配送機会の少ないエコスタイルなウォーターサーバーを開発しよう」という声が社内でも上がっていた頃でもありましたね。

コスモウォーターの「smartプラス」はすでに足元でボトルを交換できる差別化要素の強い製品でしたが、それでも「少しでもボトルを持ち上げる必要がある」「ボトルが届いた際の持ち運びが重い」「ボトルの受取が面倒だ」という声もありました。

社内でも、開発段階から期待は大きかった。

イメージ画像 : インタビュー中の様子

企画が動きはじめた頃、すでに宅配型ウォーターサーバー市場やペットボトル市場は存在しました。一方で浄水型ウォーターサーバー市場は数社しかなく、認知度も低い商材でしたが、ハミングウォーターのデビューは、浄水型ウォーターサーバー市場の規模を一気に拡大するきっかけとなりました。

沢田

すでに工事が必要なタイプの浄水型ウォーターサーバーは市場に存在しました。そのような中で、「工事が不要で、水道水を注ぐだけで利用できるのは価値があり、新たな市場を創造することができるのではないか」という意見が出ていました。

ペットボトルや宅配型のウォーターサーバーが主流だった中で、気兼ねなくたっぷりお水が使える日常生活に根付いたウォー ターサーバーを作ることを目指しました。

沢田

「天然水=嗜好品」であるという考えが開発チームの中でも強くあり、「どうすればもっと手軽においしいお水を使ってもらえるだろうか」と考えた時、「水道水を注ぐだけで利用できる浄水型のウォーターサーバーであれば、この課題を解決できるのではないか」という気持ちはありましたね。

日々お客さまの声を聞く中で、比較的自然に開発の方向性は決まっていったといえます。

既存ブランド「コスモウォーター」との関係性。

コスモウォーター

社内では、既存ブランドの「コスモウォーター」のシェアを奪うのではないかという懸念も。

白石

開発当時から明確な顧客セグメントの線引きはありました。天然水は飲料として提供しているという感覚です。ペットボトルのミネラルウォーターと同じカテゴリーですね。

一方で、浄水型は“日常生活で使うお水”として、飲料用としてはもちろんのこと、もっと気軽に普段使いができるお水を目指していました。いわば“生活インフラ”としての位置づけです。天然水のユーザーとは、想定ユーザーを明確に分けて設定していました。

沢田

開発段階では、そういった線引きが明確にされていたので、お客さまの層が重複してシェアを奪ってしまうことについては問題ない認識でした。「生活インフラに近い存在にしたい」という意識が、検討当初から強かったですね。

当時は明確に天然水と線引きして、あくまでもハミングウォーターは「飲料以外でも日常生活で使えるお水を提供する」ということを意識して開発がはじまりました。

はじめて「女性の目線」を開発に取り入れて。

イメージ画像 : インタビュー中の様子

最初のモックアップ(模型)が上がってきたのが2018年のはじめ頃。その中から候補を絞り込んではブラッシュアップ、また絞り込んではブラッシュアップというやりとりを重ねて、進めていきました。

大原

はじめは、ただただかっこいいイメージをデザイン会社に持っていきました。こんなイメージでいくつかデザインを考えてほしいと(笑)。

これまで女性は製品開発プロジェクトのメンバーに入っていませんでしたが、ハミングウォーターは女性が開発メンバーとして参加したプロジェクトでした。

白石

今回は「徹底的に女性目線で作る!」という方針でした。ですから、これまでのウォーターサーバーのような真四角な長方形の筐体ではなく、基本的に曲線を意識した滑らかなラインであったりとか、「デザインに妥協しないぞ」と心に決めて参画しました(笑)

大原

最初出た5パターンのデザインから始まり、その後2パターンまで絞り込みましたが、そこから最終的に現在のデザインに至るまでには、8回くらい修正を重ねた記憶があります(笑)。「もっとここのデザインがこう!」、「曲線はもっとこんな感じ!」など、感覚的な議論も多くこなしました。細かな部分のすり合わせには、かなり時間をかけた記憶がありますね。

その結果、シンプルでいて曲線を意識したデザインに行き着くことができました。

ウォーターサーバー累計販売台数No.1

※日本マーケティングリサーチ機構調べ 2022年11月期浄水型ウォーターサーバーに関する指定領域における市場調査 ※サービス開始~2021年末の累計数