自らを「爆速レシピクリエイター」と名乗るおよねさんは、その名の通り爆速でおいしくできる豪快な時短料理が評判。包丁とまな板を使わずにキッチンバサミで下ごしらえしたり、炊飯器ひとつでおかず3品を同時に作ったりするレシピは、忙しいママたちの救いになっています。
およねさん
爆速レシピクリエイター
- Profile
- “爆速”で作れるレシピを紹介するInstagramやTikTokなどのSNSの総フォロワー数は約36万人※。「ヒルナンデス」ほかテレビ番組の出演も多数。近著は『やったもの勝ち!およね式手間どろぼうレシピ 』(主婦の友社)。※取材時のフォロワー数。
- Instagram @oyone.gram
中学生時代、1,000円のお小遣いで夕食作りをする日も
およねさんの独創的なアイデアには、いつも驚かされます。料理を好きになったきっかけは?
専門的に習ったことはないのですが、こどもの頃から料理に興味がありました。両親が共働きで忙しかったので、小学校が終わると、いつも放課後は祖母の家に通っていて。料理上手な祖母だったので、料理をしながら「こうやって味付けするのよ」、「きぬさやの筋はこうやって取るのよ」といろいろ教えてくれました。
近所にお気に入りのお惣菜屋さんがあって、祖母と一緒に「このおいしい大学芋はどうやって作っているか聞きに行こう」と、インタビューをしに行ったことも楽しい思い出です。中学生になると、部活がない日はときどき、共働きの両親の代わりに夜ご飯を作るようになりました。
夕飯作るよと言うと、1,000円のお小遣いがもらえたんです。それがうれしくて。食材費込みで1,000円なので、できるだけ手元にお金が残るようにしたいじゃないですか(笑)。だから、まずは冷蔵庫にあるもので何か作れないか考える。どうしても材料が足りなければ、スーパーや八百屋をハシゴして、10円でも安いものを探しながら料理をしていました。
いまのおよねさんのレシピに、その経験が通じていそうですね。
そうかもしれませんね。近くのスーパーや八百屋をいくつかまわって、「よし、一番安いニンジンが買えた!」と喜んでいたら、帰り道にもっと安いニンジンが売られていて落ち込んで帰るみたいな日もありました(笑)。そういうことがすべて楽しかったです。
最初のうちは簡単なカレーなどを作っていましたが、次第に凝った料理を作ってみたくなるんですよね。覚えているのが、「チキンステーキ赤ワインソース煮」という料理が本に載っていて。鶏もも肉を焼いて、分量通りにソースを作ってみたけど、味の正解がわからないんですよ。中学生の舌には赤ワインソースなんて難しくて(笑)。それでいろんなものを足したら、微妙なソースができちゃって。まずくなっちゃったと親に謝りながら出したら、おいしいよと食べてくれたこともよく覚えています。
無駄をなくしていくと、自然と時短料理に
およねさんといえば「爆速」ごはんですが、「爆速レシピクリエイター」になった経緯は?
SNSをきっかけにレシピの連載のお声がけをいただいて、そこで肩書きが必要になりました。料理研究家というキャラではないしなぁと思って、フォロワーさんに募ったところ、いろいろアイデアをいただいて。その中から組み合わせて、「爆速レシピクリエイター」になりました。当時から「爆速飯」を出していたので、爆速は私のアイデンティティのひとつ。作るのもそうですが、洗い物も少ないというのもひっくるめて「爆速」にしています。
炊飯器で調理する、包丁を使わない、下味をフライパンでつける…。普段から「時短料理」を心がけていますか?
料理を時短したいというよりは、嫌いなものを省きたいという気持ちです。私は洗い物が本当に苦手なので、食器や調理器具を洗う作業をできるだけ省きながら、好きな料理は楽しめるようにしたい。そのバランスを整えている感覚ですかね。
家事を時短できると、生活に余白が生まれます。その余白で心にゆとりが持てたり、家族にやさしくできたりするといいなと思っています。
何品も同時に作る料理はいつ頃から?
いつぐらいだろう…。SNSで発信する内容は、会社員時代の自分みたいな人が救われるレシピにしようということは決めていました。こどもを育てていて、仕事が忙しいけれど、毎日ご飯を作らなきゃいけない。家族がいるからそれなりに栄養バランスも考えたいというような人たちが、「おっ?簡単かも!」と思ったり、救われたり。これなら時短になるし楽しく作れるかもと思ってもらえて、ポジティブになれる料理を発信したかったんです。
結婚祝いでもらった2段になっているスチーマー(蒸し器)付きの鍋を自宅で愛用していたのですが、これでいろいろおかずも作ってみようと思って。下の段で味噌汁、上の段で鮭のちゃんちゃん焼きと茶碗蒸しを作るような和定食を思いついたんですよね。そこから派生して、炊飯器でご飯とおかずを同時に作るレシピも増えました。
ご家族に人気の料理は?
エビパンと、野菜スティックにつける味噌だれです。フライパンひとつで作るビビンパも好評です。こどもが喜んで食べてくれるレシピを爆速で作るのが、私の得意とするところかもしれないですね。
2作目のレシピ本『やったもの勝ち!およね式手間どろぼうレシピ 』は家族をテーマにしていて、大人もこどもも好きな料理を集めています。うちのこどもたちが試食して、オッケーがもらえたものをレシピ化しています。
よく使う食材はひき肉。包まないシュウマイや、ビニール袋でタネを絞って入れるピーマンの肉詰めも定番の料理。ひき肉だったら包丁いらずで、そぼろにもできるし、ハンバーグ、シュウマイ、ナゲット、つくねも作れる。バリエーションが豊かにできるので便利な食材だと思います。
音が似た言葉を探して、さらに魅力的な動画づくり
およねさんの動画は、音楽の組み合わせもユニークです。どうやって合わせているのですか?
最近は、料理から音楽をイメージすることが多いです。料理にまつわる「切る」「煮る」「揚げる」という言葉があるじゃないですか。たとえば「揚げる」なら、「持ち上げる」「あなたにあげる」とかも同じ「あげる」という音ですよね。揚げもののレシピの動画に、「あげる」という言葉が入っているような音楽を選んでいます。
「煮る」なら、音が似ている「見る」という言葉から音楽を探すことも。歌詞を逆引きする感じです。
いくつか候補があったら、テンポのよいもの、気分が上がるものを選んでいます。爆速感が出る曲じゃないと料理の動画にハマらないので、そのあたりは気にしています。
水道水を使うから、使用量を気にぜず使える
ハミングウォーター歴約3年のおよねさん。Instagramのショート動画でもハミングウォーターを使ったレシピを紹介してくださっていましたね。
料理ではお味噌汁やスープ、炊飯器調理でハミングウォーターをよく使います。浄水されたお湯がボタンひとつで出てくるので、おいしいお水なうえに、お湯を沸かす時間が短縮できるので、時短にもなるのがいいですよね。
水受けトレイが広くて、お鍋や炊飯釜が置きやすいのがとても魅力的。このワイドトレイがなければ、今のように料理には使わなかったかもしれません。というのも、以前使っていた水ボトルが届く宅配型ウォーターサーバーはトレイが小さくて、料理に使うという発想がなかったんですよね。それに宅配型だと使うお水の量で金額が変わるので、料理に使うなんてもったいなくて。でも水道水を注ぐだけの浄水型ウォーターサーバーだとお水を心置きなく使えます。
Instagramでハミングウォーターを紹介したら、「お値段に惹かれます」という声が多かったです。宅配型ウォーターサーバーを使っていた人から「変えてよかったです!」というメッセージをいただいたこともありますよ。