ささっとラクに作れておいしいレシピを日々発信しているおよねさん。料理本を出版したり、テレビ番組に出演したりと順風満帆に見えますが、SNSで有名になる直前まで家庭の問題に直面していたと話します。ピンチをチャンスに変えた、およねさんの乗り越え方とは?
およねさん
爆速レシピクリエイター
- Profile
- “爆速”で作れるレシピを紹介するInstagramやTikTokなどのSNSの総フォロワー数は約36万人※。「ヒルナンデス」ほかテレビ番組の出演も多数。近著は『やったもの勝ち!およね式手間どろぼうレシピ 』(主婦の友社)。※取材時のフォロワー数。
- Instagram @oyone.gram
突然やってきた一家のピンチ、どう乗り越えた?
SNS投稿を始めたのは、旦那さんが体調を崩して無職になったのがきっかけだと伺いました。一家のピンチに、およねさんはどう対応されたのでしょう?
まずは、今後どう生きていくかを夫婦で話し合うことが私たちには必要でした。
夫は精神的に参ってしまうまでがむしゃらに働いていた。私は私で、子育てをちゃんとしたい、でもキャリアもあきらめたくないと悩んで、結構息詰まっていたと思います。お互いに無理しすぎていたことに気づきました。2人とも頑張っていたけれど、幸せじゃなかった期間が長かったね、と。
お金の心配よりも、まずはこの機会に今までの生活の間違いを正さなきゃと思っていて。夫も私もどうすれば立て直せるかということに興味がありました。
大変なときに、前向きに「興味がある」と考えられるのがすごいです。
一家の危機でしたけど、時間が経って振り返ったときに「あのとき無職になってよかったね」と言えるような人生に、自分たちで切り替えていかないといけないと思って。この経験が無意味にならないように、どうすればいいのかということに興味があったんです。
私はピンチのとき、「なんとかなるだろう」と考えるタイプ。夫は真逆で、無職になることが決まったときに「俺の人生終わりだ」みたいな雰囲気でした(苦笑)。夫の気持ちに引きずられず、自分だけでも呼吸を続けていたのがよかったと思います。
今は夫も新しい会社で自分のペースで働けているので、あの頃には二度と戻りたくないのが本音ですが、こうやって当時を振り返って、笑って話せるようになりました。
子育ての悩みがプラスオン。精神的にヘトヘト。
旦那さんが大変なとき、お子さんたちは?
実は、同じ年にわが家にはもうひとつ大きな問題がありました。夫が無職になったのが2021年9月。その年の4月に、長女が小学校に入学したんです。
長女はもともと繊細で、人見知りが激しいタイプ。保育園時代も毎朝泣いているような子だったので、小学生になって環境の変化についていけるかなぁと気がかりでした。実際に新生活が始まると、私が心配していた以上に長女はストレスを感じてしまったようで…。
学校へ行きたくないと泣く娘に、私が付き添って登校する日々。登校途中に具合が悪くなって吐いてしまうことも度々あったほどです。
家に帰ってきてからも、母子分離不安というストレスからママと離れられない状態で、「ママがいい!」と私にべったり。
ずっと一緒にいて、トイレにすら行くことが大変な感じでした。離れることができないせいで習い事にも行けなくなり、やむを得ず休会。本人もつらそうだったけど、私自身も相当追い込まれていきました。
どうやって乗り越えましたか?
「ママがいい!」「ママがいないと無理!」という状態があまりにもひどかったので、スクールカウンセラーさんに相談することに。そこで「娘さんと2人きりで過ごすスペシャルタイムをあえて作ってみてください」と言われました。
パフォーマンスでもいいから「弟には内緒だよ」と言って2人きりでアイスクリームを食べるとか、寝る直前の5分でもいいから布団にもぐって2人だけのおしゃべりをするとか。そういう時間を作るとこどもの心が安定するとアドバイスを受けました。
終始べったりの状態に戸惑っていたのですが、親子2人の時間を楽しむほうに意識を変えよう!と思い、放課後に娘と2人で区民プールに通うことにしました。そうしたら二学期がはじまる頃には、意外にもすんなりと学校に行けるようになったんです。あぁよかったな、と思ったのも束の間、9月になると今度は夫が体調を崩してしまいました。
旦那さんのことで、娘さんは?
突然夫が無職になったことで、私も娘にばかり構っていられない状況に。実はこれがよかったかもしれなくて。私がそれどころじゃないという感じで手をかけられなくなったら、娘が少しずつ自立し始めて…。親子関係もすごく良好になりました。私は娘に意識を向けすぎていたところもあったのかもしれないと反省もありました。
現在、長女は3年生※になり、楽しそうに学校に通っています。私の働き方も以前とは大きく変わって、ロケや撮影に行かない限りは基本的に家にいることが増えました。こどもたちが帰ってきたときに「おかえり」と言える環境になったのも、よかったと思います。
※取材時の年齢。
「およねさん」として、生きていく覚悟を決めてから
SNSが軌道に乗り、「およねさん」としての仕事1本に切り替えたのはいつ頃ですか?
SNSを始めた当初は、オンラインでできる在宅仕事を続けながら発信していたので、まさか料理が仕事になるとは思っていませんでした。投稿を始めて半年ぐらい経ったときに「本を出しませんか?」と書籍出版のお声がけをいただいて。SNSと料理を仕事にしていけるようにしようと、覚悟を決めたのがその頃ですね。
収益が出て生活できるようになったのは?
2023年の1月に初の著書『禁断の爆速ごはん ここまでやっちゃう100レシピ』が発売しました。そこからメディアの仕事に声をかけていただいたり、ありがたいことに本が重版して売り上げが入ったりするようになって、会社員時代の年収を超えたので、一旦、自分で自分に合格ラインをつけました。フリーランスなので、もちろん不安定ではありますけどね。
こどもの頃から、目立ちたがり屋タイプだった私ですが(笑)、こんな未来はまったく想像していませんでした。私を含め、家族や友人もびっくりしています。
最近は、オリジナルエプロンも発売しました。前部分が吸水性のある厚手のガーゼ生地になっていて、ここで手を拭いてもいいし、グラタンなど熱いものはミトンなど使わずに持てる。そのまま外に出てもいいデザインにしたくて、私の理想が詰まったエプロンです。
憧れのウォーターサーバー。お湯がすぐ出る!
お忙しそうな毎日ですが、ハミングウォーターは日々の生活に役立っていますか?
冷たいお水だとからだが冷えるので、常温水やお湯がすぐに飲めるのが気に入っています。仕事中に紅茶を飲んだり、ひとりランチのときにインスタントスープを入れたりと、お湯がすぐ使えるのがありがたいです。
カップラーメンを作るのにもよく使います。あとはコーヒーメーカーの給水タンクにハミングウォーターを入れて、毎朝コーヒーも淹れています。
上部の給水タンクが取り外せて、シンクで水洗いできるので、お手入れがラクなのも気に入っています。
ウォーターサーバーが置いてある家って、おしゃれなイメージありませんか?私は昔からそう思っていて、結婚したときに「キッチンには絶対ウォーターサーバーを置こう」と決めていて、冷蔵庫のサイズも選んでスペースも確保していたぐらいなんです(笑)。
私にとって、毎日の生活にハミングウォーターは欠かせない存在です。