蒸留水とは?精製水との違いなどをご紹介

執筆者プロフィール
エンタメ好きのライター「もえ」。幼い頃からテレビっ子で、30代になった今もドラマ・バラエティ・ニュースなどジャンル問わずテレビ番組が大好き。ラジオを聴きながら散歩も趣味の一つ。目から耳から鼻から、常に何かしらの情報を入れたいタイプ。

蒸留水と精製水、具体的にどう違うのかまでは知らない人も多いのではないでしょうか。
どちらも不純物を取り除いたお水ではありますが、それぞれに違いがあります。
この記事では、蒸留水と精製水の違いについて触れ、さらに蒸留水について詳しく説明していきます。

精製水とは

まずは、精製水についてです。
精製水は水道水や地下水を煮沸させたり、ろ過したりすることで不純物を除去し、純度を高めたお水を指します。
精製水とは、純水と同じ意味で使われる場合と日本薬局方で定められた精製水を意味することがあります。

精製水はその精製方法によって以下の4つに分けられます。

● イオン交換水
● RO水
● Elix水
● 蒸留水

イオン交換水

イオン交換樹脂によってイオン性の不純物を除去した水が「イオン交換水」です。イオン交換水にはほとんどイオンが含まれないことから「脱イオン水」とも呼ばれます。

イオン交換樹脂は、水中のイオン成分を吸着し自らが持つイオン成分を排出します。家庭用浄水器などに用いられており、水道水に含まれる塩素の除去が可能です。ただし、アルコールなどの非電解質は分離できません。

RO水

ROには「逆浸透」という意味があり、RO水とは0.0001ミクロンの微細な穴が空いたRO膜(逆浸透膜)を使ってろ過した水を指します。海水の淡水化にも使用されるろ過装置で水に圧力をかけてRO膜を通して精製します。ミネラルや微生物、化学物質まで除去できるのが特徴です。

Elix水

Elix水は簡単に言いますと、RO水を進化させた精製水です。RO膜で限りなく不純物を取り除き、さらに「連続イオン交換」を行います。これにより、水中のナトリウムやカルシウムなどのイオン成分を取り除きます。RO膜と連続イオン交換の2つの仕組みを組み合わせ、より純度が高くなったのがElix水です。

蒸留水

蒸留水とは水道水を沸騰させ、水蒸気を冷却して再び液体に戻した純度の高いお水のことを言います。
この精製方法により、水道水に含まれる電解質など不純物の一部を除去できる点が特徴です。有機物も除去されるため、微生物が繁殖しにくく腐りにくいとも言われています。

私たちの身のまわりにある水道水や井戸水、河川水などは、さまざまな有機物や不純物を含んでいます。医薬品などに使用するために純粋なお水を必要とする場合などに用いられるのが蒸留水です。

蒸留水が精製水の一種ということがお分かりいただけたかと思います。
次の章から、蒸留水について詳しく述べていきます。

蒸留水の主な用途

蒸留水は一般的には飲料水ではなく、手作り化粧品やアロマのほか、試薬の調整などの医療分野で使用されます。飲料水には賞味期限や消費期限が記載されますが、蒸留水の場合は「使用期限」が記載されます。用途としては、工業や化学研究、医療目的であることがほとんどです。

蒸留水には人間に害を与えるような成分が入っていませんので、飲むことが可能です。しかし、飲むことを用途として作られた水ではないため、飲料水には適していません。

蒸留水のメリット・デメリット

蒸留水のメリットは、不純物が取り除かれており安全性が高い点です。
原水には目には見えない不純物がたくさん含まれています。水道水などは飲んでも問題ない程度にろ過されているものの、完全に不純物を取り除けてはいません。
蒸留製法の施しにより、蒸留水は体に害を及ぼす危険な因子がないのはメリットと言えるでしょう。

その一方で、蒸留水は不純物と一緒に必要な成分まで取り除かれてしまうデメリットがあります。私たちが「おいしい」と感じるうまみ成分も除去されてしまうため、蒸留水は決しておいしい水とは言えないかもしれません。
さらに、塩素が除去されてしまうのも不安要素のひとつです。塩素には殺菌・消毒作用があり、細菌を繁殖させにくくします。蒸留水は塩素が除去されているため、菌が混入すると繁殖しやすい状態にあると言えます。

蒸留水の一般的な作り方

蒸留水は家庭にある一般的な道具で作ることができます。
道具と作り方は以下の通りです。

<必要な道具>
● 蓋付きの鍋
● ガラスボウル(鍋に入る大きさ)
● 金網(またはベーキングラック)

<作り方>
1.鍋に水道水を半分ほど入れる
2.水を入れた鍋にガラスボウルを浮かべる
 (鍋底につかないように、金網やベーキングラックの上に置くと、焦げ付きを防げます)
3.鍋の蓋を裏返して鍋に乗せ、氷水を入れる
4.鍋を火にかけ、沸騰させる
5.ガラスボウルに水滴が溜まれば完成

家庭で蒸留水を作る際の注意点

蒸留水を家庭で作る場合は、以下の点に注意してください。

ボウルの中の蒸留水は沸騰させない

ガラスボウルに溜まっていく蒸留水は沸騰させないように注意しましょう。沸騰させてしまうと蒸発が減ってしまうため、必要な量に満たなくなる可能性があります。

必要な量に満たなければ再度蒸留水を作らなければいけなくなり、二度手間になってしまいます。作っている最中に蒸留水が沸騰しそうになったら、火を弱めて調整してください。

ボウルを取り出す際はやけどに注意

必要な量が溜まったらガラスボウルを鍋から取り出しますが、やけどをしないように注意してください。蒸留水が沸騰していなくても、ガラスボウルはかなりの高温です。ある程度冷ましてから取り出すか、手袋などをつけてから取り出すようにすると良いでしょう。

作った蒸留水は早めに使い切る

鍋を使って蒸留水を作る場合、空気中の雑菌が混入してしまう可能性が少なからずあります。そのため、作った蒸留水はできるだけ早めに使い切るようにしてください。

蒸留水は医療品などに用いられる純度の高いお水

蒸留水と精製水の違いはお分かりいただけましたでしょうか。
精製水は、水道水や地下水などの原水をろ過やイオン交換などの処理方法を用いて、不純物を除去したお水の総称です。精製される方法によって種類が分かれており、そのうちの一種が蒸留水です。

蒸留水は飲むことを用途として作られたお水ではなく、主に医療分野などで用いられている純度の高いお水です。先ほど記載した方法で蒸留水を作ることができますので、スキンケア用品などを手作りする際には、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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