牛乳の飲み過ぎはリスクがある?牛乳の栄養素と飲み過ぎのデメリットについて

執筆者プロフィール
夫婦+猫1匹で暮らす「はな」。時短家電や便利グッズが大好き。猫デザインの用品に目がなく、買い過ぎないように注意している。「無理しないダイエット」を意識した生活を送っているところ。

健康によいイメージのある牛乳ですが「飲み過ぎると良くない?」「お水の代わりに水分補給として飲んでもOK?」と気になることがあるのではないでしょうか。
また、子育て中の方は、「こどもの成長のために牛乳をたくさん飲ませたい」と考えたことがある方もいらっしゃると思います。

この記事では、牛乳の種類を紹介しながら、牛乳の良いところと飲み過ぎのデメリット、1日の目安量についても解説します。
牛乳の飲み過ぎによるリスクが気になる方や、子育てに牛乳を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

牛乳の種類

まずは牛乳の種類から紹介します。
牛から絞ったままの乳を生乳といい、この生乳を100%原材料にした牛乳は4種類あります。
4種類の牛乳とそれぞれの特徴を紹介します。

牛乳(普通牛乳)

牛乳とは、生乳を加熱殺菌したもので、普通牛乳ともいわれます。
乳脂肪分は3.0%以上、無脂乳固形分は8.0%以上含まれています。
無脂乳固形分とは、水分と乳脂肪分を除いた成分で、タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分です。学校の給食で飲む牛乳は、この牛乳が当てはまります。

成分調整牛乳

生乳から水分や乳脂肪分、ミネラルなどの一部を除去し、成分を調整したものです。
乳脂肪分が牛乳よりも低いものや、水分の一部を除去するなど調整を施し、牛乳よりも濃厚な成分のものがあります。

低脂肪牛乳

乳脂肪分を0.5%以上、1.5%以下に調整したものです。
上で紹介した普通牛乳よりもカロリーが低く、あっさりした味わいが特徴です。

無脂肪牛乳

生乳に含まれている乳脂肪分をほとんど除去し、乳脂肪分を0.5%未満にしたものです。
生乳100%の牛乳の中で最もカロリーが低く、低脂肪牛乳よりもさらにあっさりした味わいです。
ドライフルーツなどが含まれた甘いシリアルを食べるときや、アルコールのミルク割などに向いています。

加工乳と乳飲料

スーパーやコンビニでよく見かける、加工乳と乳飲料も牛乳の種類に含まれます。
生乳に乳製品を加えると、加工乳や乳飲料になります。
加工乳とは、生乳に脱脂粉乳やクリーム、バターなどの乳製品を加えたものです。
乳飲料とは乳製品を主原料として、ミネラル、ビタミン、コーヒーなど、乳製品以外のものを加えたものを指します。

牛乳は栄養バランスが良い

牛乳は栄養バランスに優れ、準完全栄養食品ともいわれます。
牛乳に含まれる栄養素と、その栄養素の役割を紹介します。
ここで紹介する牛乳の栄養素は、乳脂肪分3.8%の普通牛乳です。

カルシウム

牛乳の栄養素といえば、一番にカルシウムをイメージするのではないでしょうか。
そのイメージ通り、牛乳100gには、カルシウムが約110mgと豊富に含まれています。
カルシウムは骨や歯を形成する役割があり、不足すると骨や歯に悪影響を及ぼします。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1人1日当たりのカルシウムの推奨量を、成人男性で700mg~800mg、成人女性で650mgと定めています。つまり、コップ1杯(200g)の牛乳を飲むと、1日のカルシウム推奨量の1/3が摂取できるということです。

タンパク質

牛乳の栄養素にはタンパク質もあります。牛乳100gあたり、タンパク質が3.3g含まれています。
タンパク質は、体を動かすエネルギー源である、炭水化物・脂質と並ぶ三大栄養素のひとつです。
タンパク質は体をつくる筋肉や臓器、皮膚、髪の毛、体調を調節するホルモンや酵素、抗体など、生きるための重要な役割を担っています。

ビタミン

牛乳にはビタミンA・B₁・B₂・C・Eが含まれており、種類が豊富です。
ビタミンは、エネルギーをつくる三大栄養素に比べると少ない量ではありますが、体に必要な栄養素です。
ビタミンは、エネルギーをつくるためのサポートや、健康を維持するための役割があります。

乳脂肪

乳脂肪とは牛乳の脂質のことで、脂質はエネルギーをつくりだす三大栄養素のひとつです。
また、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を助け、細胞膜やホルモンをつくる役割もあります。
牛乳1gあたり9キロカロリーですので、少量の牛乳で多くのエネルギーをつくることができます。
そのため、乳脂肪は効率のよいエネルギー源であるといえます。

牛乳を飲み過ぎるとどうなる?

ここまで牛乳は栄養バランスが良いことを紹介しましたが、栄養バランスがいいからといって飲み過ぎには注意が必要です。
牛乳を飲み過ぎると下痢になったり、カルシウムの摂り過ぎになり病気の要因になることがあります。

ここでは、牛乳を飲み過ぎると下痢になる理由と、カルシウムの摂り過ぎについて詳しく紹介します。

下痢になるリスク

牛乳を飲み過ぎると、牛乳に含まれている乳糖によって下痢を引き起こすことがあります。
乳糖は小腸にあるラクターゼという酵素で分解されますが、このラクターゼが不足していると乳糖を消化・吸収できません。すると乳糖が高濃度になって水分を小腸に引き寄せ、下痢となってしまうのです。

また、その乳糖が大腸に入ると、消化・吸収されなかった細菌によってガスが生じ、お腹が張った感じや腹痛にも繋がります。
ラクターゼが不足していることで乳糖が消化できないことを、乳糖不耐症といいます。乳糖不耐症の割合は民族によって異なり、アジア系の90%もの人は離乳後にラクターゼが減少するため、多くの乳糖を消化できません。
個人差はありますが、成人では250~375ml以上の牛乳を飲んだときに、乳糖不耐症の症状が現れる可能性が高いといわれています。
そのため、牛乳を飲み過ぎないように注意が必要ですし、お水の代わりに牛乳を飲むのはおすすめしません。

乳糖不耐症と牛乳アレルギーは違う

牛乳の飲み過ぎで下痢になる人は「牛乳アレルギーかも?」と思うかもしれません。
しかし、乳糖不耐症と牛乳アレルギーは異なるものです。
牛乳アレルギーは牛乳をしっかり消化できますが、牛乳に含まれるタンパク質が免疫系に反応してアレルギーを引き起こします。
牛乳アレルギーで最も多い症状はじんましんで、次に咳や息苦しさ、そして嘔吐、腹痛、下痢があります。
牛乳アレルギーが起きる割合は子どもに多く、ほとんどは成長すると症状が軽くなるのが特徴です。

カルシウムの摂り過ぎ

牛乳を飲み過ぎると栄養バランスが偏ってしまい、カルシウムの摂り過ぎになることがあります。
カルシウムの摂り過ぎは、体内の電解質のバランスが崩れる高カルシウム血症、泌尿器系の結石など、さまざまな病気の要因となることがあります。
1日のカルシウムの上限量は2,500gといわれています。
乳脂肪分3.8%の普通牛乳で換算すると、2,500gのカルシウムが含まれる牛乳の量は、約2,273mlととても多い量になります。

これほどたくさんの牛乳を飲むことはまれですが、カルシウムは牛乳以外の食品にも含まれています。
魚介類や藻類、豆類、果物類などにもカルシウムは含まれていますので、適切なカルシウムを摂取するためには、牛乳を含めたバランスの良い食事を心がけましょう。

大人が牛乳を1日に飲む量の目安

厚生労働省の栄養バランスガイドによると、1日に飲む牛乳の量の目安は、牛乳瓶1本分(200ml)です。
加えて、成人では、250~375ml以上の牛乳を飲んだときに、乳糖不耐症の症状が現れますので、牛乳瓶1本分がちょうどいい量といえます。

こどもが牛乳を1日に飲む量の目安

こどもが牛乳を1日に飲む量の目安は、3歳以上~小学校入学前のこどもでしたら200mlです。小学生の子どもの目安は300mlです。
こどもの1日の活動量や食事全体のバランスから考えて、牛乳を飲ませましょう。

乳糖不耐症は、大人よりもこどものほうが起きにくい傾向にあるといわれています。

赤ちゃんは離乳して食事を食べるようになると、母乳を分解するラクターゼが減っていきます。
離乳時期や体質などによって個人差はありますが、子どもは大人よりもラクターゼがある可能性が高いため、子どもは乳糖不耐症が起きにくいといえます。

なお、こどもがどのくらい牛乳を飲むと乳糖不耐症の症状が起きるのかについては、現時点では調査や報告がありません。
そのため、こどものお腹の調子を見ながら、牛乳を飲み過ぎないように注意が必要です。

日頃の水分補給はハミングウォーターで

牛乳は栄養バランスに優れており、準完全栄養食品ともいわれます。
ただし、飲み過ぎると下痢を引き起こしたり、カルシウムの摂り過ぎになる可能性がありますので、日頃の水分補給はお水が適しています。
とはいえ、水道水からの水分補給は、残留塩素によるカルキ臭が気になったり、カルキ臭を取り除くためにお水を一度沸騰させたりと面倒に感じるのではないでしょうか。

そこで日頃の水分補給に便利なのが、浄水型ウォーターサーバーのハミングウォーターです。

ハミングウォーターは、いつもお使いの水道水をタンクに注ぐだけで、高性能フィルターでお水がろ過され、おいしいお水を飲むことができます。
また、冷水だけでなく温水と常温水もボタン1つで使えますので、飲みたい温度のお水がすぐに出せるメリットもあります。

ハミングウォーターをご自宅へ取り入れて、おいしいお水で体に適切な水分補給をしませんか?

〈参考サイト〉
知って納得!牛乳の種類|一般社団法人Jミルク
カルシウム|e-ヘルスネット厚生労働省
たんぱく質|e-ヘルスネット厚生労働省
ビタミン|e-ヘルスネット厚生労働省
脂肪/脂質|e-ヘルスネット厚生労働省
三大栄養素(エネルギー産生栄養素)の栄養バランスを考える2つの指標|味の素
乳糖不耐症|MSDマニュアル
カルシウムの働きと1日の摂取量|健康長寿ネット
食事バランスガイド|厚生労働省
3歳以上の幼児は1日にどれくらい牛乳を飲むと良いのでしょうか?|日本乳業協会
小学生の子どもに牛乳を好きなだけ飲ませても良いのでしょうか?|日本乳業協会
乳糖不耐症|中野こどもクリニック
(上記すべて参照:2024-1-29)

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