宇治森徳 上薗みゆきさん/甘露園 田村千夏さん 特別インタビュー
【中編】
「お茶」について掘り下げるインタビュー全3回のうち、今回は【中編】です。
【前編】ではお茶の基本的な定義や種類などについて、株式会社宇治森徳の上薗みゆき(うえぞの・みゆき)さんからお話をお聞きしました。
「茶の木」って正式名称だったの!? 「玉露」ってお茶の品種じゃないの!? などなど、びっくりな知識がいっぱいでした。
今回も、引き続き上薗さんにご登場ねがい、お茶の効能や正しい淹れ方などについて語っていただきます。

お茶にはこんな効能がある
お茶を飲むとホッとしますし、健康にも良いと聞きます。具体的にどのような効能があるのでしょうか?
お茶の効能をもたらす成分としては、主に「テアニン」と「カテキン」の2つがあります。一言でいえば、うまみのテアニン、渋みのカテキンです。
テアニンはお茶ならではの成分で、うまみをもたらすアミノ酸の一種です。血圧を下げて、リラックスさせるという効能があります。お茶を飲むとホッとするのは、まさにテアニンの働きによるところが大きいでしょうね。
一方、健康に大きく寄与するのが、渋みと感じるカテキンです。よく言われる効能は、発ガン抑制、抗酸化作用、コレステロールや血圧の上昇抑制作用、虫歯予防、口臭予防など、本当にたくさんあります。
成分 | 効果 | 味の種類 |
---|---|---|
テアニン | 血圧降下作用 | 旨味 |
カテキン類 (茶タンニン) | 発ガン抑制作用 ガン転移抑制作用 細胞の突然変異抑制作用 抗酸化作用 血中コレステロール・血圧上昇抑制作用 抗菌作用(食中毒予防) 抗ウィルス作用(かぜ予防) 虫歯予防 口臭予防 | 渋味 苦味 |
ちなみに、テアニンとカテキンはまったく別のものではなく、テアニンが日光を受けるとカテキンに変化します。緑茶の「玉露」は日光をさえぎって栽培するので、テアニンが多く残ってうまみが強くなるんですね。
こんなに効能が多いお茶をたくさん飲む、宇治森徳の社員の皆さんは、とても健康な方が多いのでは?
実際、風邪をひきにくいと感じます。抗酸化作用のおかげか、お肌がキレイな人も多いような。この2つは会社に入ってからすごく実感していることです。
私は一日10回くらいお茶を飲むんですが、つい先日、10年ぶりくらいに風邪「気味」になりました。
「気味」で済んだのですね! ますますお茶を飲もうと思えました。どんなときに、どんな種類のお茶を飲むのが良いか、おすすめはありますか。
眠気覚ましにはカフェインの入ったコーヒーがいいと一般的に思われていますが、緑茶にもカフェインは含まれています。その量は良いお茶ほど多いので、シャキッと頑張りたいときには玉露や上級煎茶を飲むといいでしょう。
逆にリラックスしたいときは、カフェインの出にくい水出し茶がおすすめ。番茶やほうじ茶もカフェインが少ないです。
また、麦茶やルイボスティーといった茶外茶にはカフェインが含まれていないので、小さなお子様にも安心ですね。
正しい&手軽なお茶の淹れ方
ではいよいよ、普段楽しむお茶のおいしい淹れ方を教えてください。
おいしい淹れ方はお茶によって変わるので、一般的な価格の100グラム1,000円程度の煎茶を例にとってお話ししますね。
お湯の温度が高すぎると苦みが出やすくなるので、うまみをしっかり出すために、70度くらいがおすすめの温度です。
茶葉の量は、1人分でティースプーン中盛り1杯が目安です。
沸騰したての温度のほうが、お茶が出やすいはず!と思い込んでいました。
そう思われている方が多いのですが、意外に70度がベストなんです。
ここで大切なのは、お湯を70度にする方法です。お湯を沸かしている途中で止めるのではなく、一度沸騰しきってから、適温になるまで冷ますこと。これによって、水道水を使う場合もカルキ臭などが抜けます。
茶葉の量をしっかり量ったつもりが薄いお茶になったりします。
そのような場合は、濃くなるまで長い時間待つのではなく、茶葉を追加しましょう。長く待っても、雑味などの成分が出てくるだけです。
たとえば、パッケージの裏を見て45秒出したけれど薄かった、じゃあ1分半にしようではなく、ティースプーン中盛りを山盛りにするほうがおいしいお茶になります。

ありがとうございます。もう1つ、温度を測ったりしなくていい簡単な方法もありますでしょうか…ズボラですみません…。
水出しなら簡単ですよ。冷茶ポットに茶葉を約10gとお水1Lを入れ、冷蔵庫で冷やすだけです。
ただ、この方法だとお茶が出るまでに2〜3時間はかかります。
そこで私がよくやるのは、急須に茶葉を10g、お水を200ml程度入れる水出しです。お水の量に対して茶葉が多くちょっと勿体ないですが、同じようにお水を入れて冷蔵庫に放置でも、これなら10分ぐらいでおいしい水出し茶ができあがります。
それは簡単そうです!ところで、茶葉は袋に入れて売られていることが多いですが、使いかけの茶葉はどのように保存すれば良いですか?
お茶は繊細なので、品質を悪くする原因として絶対避けたいのが高温多湿、あと光ですね。他のものの臭いも吸いやすいです。
お店で売られているお茶のパッケージはこれらを避けるようにできていると思いますが、チャックが付いていなくて密閉できないものや、透明な袋に入っているものは茶缶に移しましょう。
開封後は2週間以内に使い切っていただきたいです。そして、よく冷蔵庫で保存する人がいますが、頻繁に出し入れすることで結露する恐れがあるので、保存は常温で構いません。
わが家では今まさに、茶葉が冷蔵庫に入っています…。
それはそのまま使い切りましょう! 慌てて出して常温に切り替えると、それこそ結露する恐れがあるので(笑)。
お湯の温度管理に自信がない方は
お茶って、保存するときも、淹れるときも、思っていた以上に温度管理が大切なんだとわかりました。
そうなんです。では、お茶を淹れるときの温度について、あらためてまとめてみましょう。
水出しとお湯出しの違いをご説明する際に少し触れましたが、お茶には高い温度で出やすい成分と、低い温度で出やすい成分があります。
高い温度で淹れると、渋みや苦みが強くなります。低い温度では、甘みやうまみを感じやすくなります。
なので、たとえばうまみを強調したい玉露だと、40〜50度くらいのぬるいお湯で淹れるのがいいんですよ。
茶道で抹茶を点てるときも、お湯がぐらぐら沸いてからお水を差し、さらに柄杓(ひしゃく)で汲むことで適温まで下げます。温度管理は本当に大切なんです。

微妙な調整ですね。家庭でもいろんなお茶を試したいですけど、お茶によって違う適正温度のお湯をつくるのが難しそうです。
大変ですよね。湯呑みから湯呑みにお湯を移すと10度下がる、なんて言いますけど、洗い物が増えますし(笑)。
その点、ハミングウォーターは便利だと思いました。冷水、常温水、温水と選べるので、混ぜて湯温調節がしやすい。しかも、どれも浄水だからお茶の風味を損ないません。お茶を正しく淹れるというハードルの高さを、グッと下げてくれますね。
宇治森徳がこだわって販売しているお茶を、ぜひハミングウォーターで多くの方々に楽しんでいただきたいです!