硬水と軟水の違いって? 上手に使い分けをしよう

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執筆者プロフィール
はじめての育児をスタートさせたばかりのライターの「なぎさ」。家のインテリアは夫のこだわりに従って、余計なものは買わないようにいつも注意している。「時短」や「手抜き」という言葉が大好き。赤ちゃん中心の生活にも少し慣れてきたところ。

硬水と軟水の違いとは?

水に硬水と軟水があるのは、ご存知の方も多いかと思います。私自身、聞いたことがあるけれど、そんなに意識せずに、水を飲んできました。

硬水と軟水とはいったいどういったものなのでしょうか?
硬水と軟水の分け方は、「硬度」の違いです。
硬度とは、お水1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量によって決まります。WHO(世界保健機関)が定める基準では、硬度が120mg未満だと軟水、120mg以上だと硬水とされています。

海外に行くとおなかの調子が優れなかったり、シャワーをした髪の手触りがいつもと違うような…と感じるのはこの硬度のせいなのです。特にヨーロッパでは硬度が高い国がほとんどです。水道水を含めて日本では、ほとんどが軟水を使用しています。そのため、多くの日本人は口当たりがまろやかな軟水のほうが飲みやすいと感じ、硬水に慣れていないため、違和感があるのでしょう。

海外では、飲みなれていない硬水を一度にたくさん摂取するとおなかを壊したり、胃腸に負担をかけてしまうことがありますので、注意が必要との情報もあります。また、日本の石鹸やシャンプーは硬水では溶けにくく、泡立ちが悪くなってしまい、髪がキシキシしたり、肌が乾燥してしまうことがあるようです。肌で感じられるほど、硬水と軟水に違いがあることには驚きです。

なぜ、ヨーロッパは硬水が多いのか

前章で「ヨーロッパの水は硬水、日本の水は軟水が多い」と言いましたが、これはなぜなのでしょうか?

ヨーロッパは、石灰岩が多く山から海まで傾斜のゆるやかな地形が多く、雨や雪はゆっくりとミネラル豊富な石灰層を通ってろ過され、ミネラル成分がたくさん溶け込んだ硬水になります。一方、日本では花崗岩(かこうがん)が多く、山から海までの傾斜がきつく起伏の激しい地形が多いため、水の浸透が早い花崗岩を通ってろ過された雨や雪は、山から海まで流下する速度が早いことが多く、ミネラル成分の浸透が少ない軟水となります。地質と地形など、環境の違いが軟水と硬水を生み出す要因になっているようです。

日本人好みのミネラルウォーターもある

コンビニなどで、簡単に手にすることができる海外ブランドのミネラルウォーター。私は水の違いをわかっておらず、特に好みのブランドなどがありませんでしたが、調べれば調べるほど、各ブランドでの硬度の違いや特徴があることがわかってきました。

日本人にも飲みやすい優しい口当たりのもの、ミネラルが多く硬度が高い飲みごたえのあるものなど、ブランドによってさまざまです。購入する際に、ラベルに目を向けてみれば、より上手な水との付き合い方ができるのではないでしょうか?

もっと、料理上手に!?

日本人は軟水に馴染みがあると言いましたが、硬水、軟水それぞれに合った料理があり、意識してみるとより一層料理がおいしくなるのではないでしょうか。

硬水に適した料理

簡単料理の代表パスタ。パスタは硬水で茹でると麺にコシが残り、おいしくなります。
また、牛肉の煮込み料理はいかがでしょうか?硬水に含まれているミネラルと肉のたんぱく質が結びつくことでアクが溶け出すため、臭みを取り除いて肉をやわらかくしてくれます。

洋風だし、スープにも硬水は適しています。ミネラルが多く含まれているので野菜を煮込むと、マグネシウムやカルシウムがアミノ酸と結合し、旨味成分だけを残すことができます。 硬水でご飯を炊くと、硬水に含まれるカルシウムがお米の繊維を硬化させるため、炊きあがったご飯も硬くなりますので、パエリアやピラフ、カレーなどのように硬めのご飯が合う料理にも硬水を使うとおいしくなります。

軟水に適した料理

軟水と硬水とで最も違いが出るのがご飯を炊いた時です。先に述べたように、硬水で炊くと、お水に含まれるカルシウムが食物繊維を硬化させてしまうため、炊きあがりも硬くなってしまいます。一方、軟水で炊くとふっくらと程よい粘り気があるおいしいご飯になるります。

軟水は水分の浸透性に優れ、素材のうまみ成分を引き出すので、鰹や昆布、椎茸など、素材の風味を活かした和風だし料理におすすめです。
紅茶やコーヒーなど香りを楽しみたい飲み物にも適しています。
また、赤ちゃんの粉ミルクに使用する水は、必ず軟水お使いください。胃腸が未発達な赤ちゃんや小さな子どもはミネラルの含有量が多い硬水ですと体に負担になってしまうことがあります。軟水はマグネシウムの含有量が少なくお腹にも優しいため、赤ちゃんや小さな子どもにも安心して与えることができます。

硬水と軟水のそれぞれの特徴を活かして、水と上手に関わっていければいいかと思います。


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