- 執筆者プロフィール
- はじめての育児をスタートさせたばかりのライターの「なぎさ」。家のインテリアは夫のこだわりに従って、余計なものは買わないようにいつも注意している。「時短」や「手抜き」という言葉が大好き。赤ちゃん中心の生活にも少し慣れてきたところ。
発汗は大切な身体の機能
汗のイメージは不快なものが多いですが、人の身体に備わった大切な機能です。
暑い時や運動した時に体温調整のためにかく汗もあれば、緊張した時など精神的な要因で出る汗もあります。
今回は健康的な身体のために、「汗」をテーマに書いていこうと思います。
汗が出るきっかけと種類
汗は、皮膚にある汗腺という器官から出てきます。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、それぞれに汗の性質や汗を出す仕組みが異なります。
エクリン腺は全身のほとんどに分布しており、主に体温調節のために汗を出す汗腺で、独立して皮膚に開口しています。分泌される汗は無味無臭です。
一方、アポクリン腺は身体の限られた部分にあり、特にワキの下に多く分布していて、エクリン腺と異なり、毛根に開口部があります。アポクリン腺から出る汗は脂質やタンパク質などニオイのもととなる成分を多く含んでいて乳白色です。
汗にも下記のように種類があります。
●温熱性発汗
暑い時や運動した時に、上昇した体温を下げるための汗です。手のひらや足の裏を除く、全身から持続的に発汗し、エクリン腺から出る汗です。
●精神性発汗
慣れないスピーチなどで人前に出て緊張した時など、精神的にストレスを感じた時に出る汗です。手のひら、足の裏、ワキの下など限られた部位から発汗し、エクリン腺とアポクリン腺の両方から出ます。
●味覚性発汗
香辛料が効いている辛い物を食べた時などに鼻や額にかく汗です。エクリン腺から出る汗で、反射的に出るものですので、食べ終わると収まります。
良い汗と悪い汗って?
汗腺にはろ過機能があり、うまくこの機能が働いている場合は「良い汗」が出ますが、汗の量が多くなるとろ過機能が追いつかず、「悪い汗」が出てしまいます。
良い汗は成分の濃度が薄く水に近く、皮膚面で蒸発しやすいのですが、悪い汗はネバネバしていまして、蒸発しづらいため、体温調整の効率が悪くなってしまい、余分な成分を含んでいるため、不快なニオイが発生しやすい特徴があります。また、体内からミネラルが多く出ていくので、慢性疲労や熱中症の原因にもなることからも「悪い汗」と言われています。
「汗かきさん」=「代謝が良い」は間違い
基礎代謝量が高いことを「代謝が良い」と表現することが多いのですが、この基礎代謝量は、体温維持や心臓や脳などの臓器を動かす最低限必要なエネルギー代謝量のことです。1日の消費エネルギーの60%をこの基礎代謝量が占めていることから「運動しなくても消費できるエネルギー」と言われています。このことから基礎代謝量が高い=太りにくいと言えます。
汗かきだとエネルギーの消費も多いと思われる方もいるかもしれませんが、基礎代謝量の高さは筋肉量に影響されるので、ただ汗をかくことと基礎代謝量が高いことは同じとは言えません。
運動をしておらず筋肉量が少ないのに、大量の汗をかいたり、気温がそれほど高くない場所で汗をかくような人は、「汗かきだから代謝がいい」という言葉は当てはまりません。このような汗をかく人は汗を排出する汗腺の機能が低下しており、老廃物の排出が正常に行なわれず、血行促進にもつながりません。
運動不足の人は、このような「悪い汗をかく汗かき」の人が多くいます。
「悪い汗」の主な原因は、肥満やホルモンの影響です。
肥満によって体脂肪が多いと、体内の熱がとどまりやすくなり、身体を冷やそうとし、汗をたくさんかくことになります。
肥満以外には更年期障害で、女性ホルモンの影響により、自律神経が乱れ、発汗してしまうこともあります。他には、精神的ストレスから汗をかきやすくなる人や、甲状腺機能亢進症や糖尿病など症状の一つとして、異常な発汗が起きる場合があります。
基礎代謝を上げて、良い汗が出る身体に
汗の量や不快なニオイを改善できる方法があります。
先程書きました「汗腺のろ過機能」は、汗をかけばかくほど高まるという特性があります。「悪い汗」をかきたくないからと、過度に汗をかくことを避けるのではなく、適度に汗をかいて汗腺を鍛えることが、「よい汗」をかく秘訣なのです。
また、筋肉や関節の柔軟性を高めると、基礎代謝を上げる助けになりますので、簡単なストレッチから取り入れてみてはいかがでしょうか?
基礎代謝を上げるには筋肉が必要と書きましたが、スクワットや腕立てなど筋肉に負荷をかけて行う筋トレと、ウォーキングやジョギングなど、軽く息が上がる程度の有酸素運動も一緒に取り入れるのがおすすめです。
基礎代謝を上げるには、血行を良くすることも良いとされています。運動以外にも、入浴やマッサージで身体を温めたり、食事の際に生姜・唐辛子などをとり入れてみましょう。生活リズムや食事の栄養バランスを整えることも大切です。運動をして筋肉を鍛え、生活リズムを整えることで基礎代謝をアップさせ、良い汗がかける身体づくりをしましょう。
お水飲むことをお忘れなく
運動の際はもちろんのこと、日常的にこまめにお水を飲む習慣をつけましょう。
運動時に汗で体内から水分が放出されると脱水症や熱中症になってしまうため、運動してから水分補給するのではなく、運動前にも水分補給をするようにしてください。水分補給の際、塩分やミネラル分も補給しましょう。ハミングウォーターがあれば、日常の水分補給が手軽にできますので、「良い汗」のために役立つと思います。