- 執筆者プロフィール
- はじめての育児をスタートさせたばかりのライターの「なぎさ」。家のインテリアは夫のこだわりに従って、余計なものは買わないようにいつも注意している。「時短」や「手抜き」という言葉が大好き。赤ちゃん中心の生活にも少し慣れてきたところ。
コーヒーは妊婦の敵!?
私には1歳になる息子がいます。妊娠がわかった時、仕事のお供として飲んでいた大好きなコーヒーをまったく飲まないように心がけました。1日に何度か当たり前のように飲んでいたのに、少ない知識から「コーヒーは飲んではいけないもの!」と思い込み、コーヒーを紅茶に変更しましたが、いろいろと調べると、カフェインの取り過ぎがダメで、コーヒーをまったく飲んではいけないということではないようです。また、コーヒーを紅茶に変更して安心していましたが、紅茶にもカフェインが含まれているとのことで、慌ててノンカフェインやカフェインレスのハーブティーなどにまたすぐに変更しました。
私のようになんとなくの知識で、コーヒーをNGにしていたり、コーヒー以外だと良いと勘違いされている妊婦さんは多いのではないでしょうか?
今回は、妊婦とカフェイン摂取や水分補給について、詳しく述べていきます。
妊娠中、コーヒーはまったく飲めない?
妊娠中に、コーヒーを飲んではいけないと言うイメージは、“コーヒー=カフェイン”と連想してしまうからかもしれません。カフェインがおなかの中の赤ちゃんに及ぼす悪影響については、まだわからない部分もありますが、妊婦に必要な鉄分の吸収を妨げる働きがあり、高濃度のカフェインを摂取すると胎児の発育に影響し、低体重となる可能性が報告されています。米国産婦人科学会では、1日200mg以下のカフェイン摂取なら流産や早産の主な理由にならないとしていますが、過剰摂取をしても問題ないとは断定できないとのことです。また、世界保健機関(WHO)では妊婦のコーヒーの量を1日3~4杯としていますが、英国食品基準庁(FSA)では2008年に妊婦がカフェインを摂り過ぎたために赤ちゃんが低体重になったことから1日の目安を200mg(マグカップでコーヒー2杯相当)としています。カナダ保健省(HC)でも、健康な成人で400mg、カフェインの影響を受けやすい妊婦や授乳中の女性、妊娠を予定している女性は300mgまでとしています。このように各国で異なる数値が定められていますので、はっきりとした数値を断言できませんが、妊娠中のカフェイン摂取は200~300mgが目安と言えるのではないでしょうか。また、医師によって見解が異なりますが、妊婦はコーヒーや紅茶は1~2杯程度に抑えるとしている病院もあります。これらの事柄より、妊娠中はカフェイン入りの飲み物を過剰摂取しないことが大切で、適度な量で楽しむのが良さそうです。
カフェインといえばコーヒーがすぐに思いつきますが、ほかの飲み物にもカフェインが含まれていますので、主な飲み物の含有量は下記を参考にしてください。
コーヒー 60mg
玉露 160mg
煎茶 20mg
紅茶 30mg
烏龍茶 20mg
※上記は100mlあたりに含まれるカフェインのおおよその数値です。
また、エナジードリンクなどに含まれるカフェインにも注意が必要です。商品によってカフェイン含有量は異なりますが、1本あたりコーヒー2杯分に相当するカフェイン量を含むものもありますので、注意が必要です。飲酒は、カフェインとは異なり明確に母子ともに悪影響があります。低体重や発育障害など、さまざまなリスクを招く原因となりますので、完全にやめるようにしてください。
妊娠中は水分補給が大切
人は食事で得られる水分を除き、1日に約1.5~2リットルの水分補給が必要ですが、妊娠中は約2リットルの水分補給が推奨されています。
妊娠すると、循環する血液の量が約50%も増えます。血液は、お母さんから胎盤を通して赤ちゃんに栄養素を届けるとともに、赤ちゃんからの老廃物を運び出す役割もあります。お水を飲んで循環させることで血液もサラサラになり、老廃物が排出されやすくなります。
子宮の中の羊水は、赤ちゃんのからだの発達を促し、衝撃から守る役割があります。 通常、羊水の量は妊娠30週目頃になると、子宮に多くの血液が集まるようになります。お母さんが良質のお水を飲むことで、赤ちゃんからも良質な尿が出てきれいな羊水になり、アトピーやアレルギーのリスクを減らす効果もあるそうです。
妊娠すると、代謝が良くなり汗をかきやすくなるので喉が渇きます。妊娠時が暑い時期と重なり、つわりによって、吐き気や嘔吐で一層、水分量が不足することにもなります。また、ホルモンの影響や大きくなった子宮が腸を圧迫することで、便秘が起こりやすくなりますので、意識してこまめに、多めに水分を摂るように心がけましょう。
妊婦の水分補給はなにがいいの?
妊娠中の水分補給はお水が良いとされていますが、一度にたくさんの水分を摂るのではなく、こまめにお水を飲むことを意識しましょう。冷たい飲料水は妊婦の身体を冷やすおそれがあり、むくみの原因にもなりますので、常温または白湯、温かい飲み物を積極的に摂るようにしましょう。妊婦にも安心して飲めるノンカフェインのハーブティーなどもたくさん販売されていますので、ご自身がリラックスできるフレーバーのハーフティーを探してみるのも良いと思います。
ほかには、ノンカフェインで安心な飲み物ですと、麦茶、黒豆茶、コーン茶、ルイボスティーなどもあります。また、コーヒー好きな方ですと、たんぽぽコーヒー(コーヒーとついているが実際はコーヒーではなく、たんぽぽ茶ともいう)もあります。
ハミングウォーターで出産に備える
妊娠をきっかけに自分がいつも飲んでいるものを見直し、おいしく安全なお水を飲もうと思っている方は多いと思います。
ハミングウォーターは、妊婦さんはもちろん、出産後の育児にも使い勝手が良く重宝します。重たいお水のペットボトルを取り替える必要があるウォーターサーバーですと、妊娠中は重たいものが持てませんし、産後の身体にも負担になります。ハミングウォーターですと、水道水を注ぐだけなので、重たいお水を運ぶ必要はありません。また、つわりで口の中をさっぱりさせたい場合は冷水、からだの冷え予防には常温水か白湯、ホットドリンクを飲みたい時にはすぐに温かいお湯も飲めます。先にも述べたとおり、お好みのハーブティーもすぐにつくれます。妊娠中の水分補給から産後のミルクづくり、離乳食作りにも活用できますので、赤ちゃんが生まれてからではなく、妊娠中の今から、ハミングウォーターを使ってみてはいかがでしょうか。