水道水との付き合い方、教えます。

お水の理想的なpH値とは?

執筆者プロフィール

はじめての育児をスタートさせたばかりのライターの「なぎさ」。家のインテリアは夫のこだわりに従って、余計なものは買わないようにいつも注意している。「時短」や「手抜き」という言葉が大好き。赤ちゃん中心の生活にも少し慣れてきたところ。

飲み物は酸性?アルカリ性?

酸性、アルカリ性といった言葉を聞いたことがあると思いますが、具体的に身体にとって酸性のものが良いのか、アルカリ性のものが良いのかなど、お分かりでしょうか?
液体には酸性や中性、アルカリ性といったものがあり、これらをわかりやすく数値で表したものがpH(ピーエッチ)値です(ペーハーとも言われます)。pHとは水素イオン濃度の略称であり、溶液中の水素イオンの濃度を指します。pHは1~14までの範囲で表されていて、中間のpH7が中性で、それより数値が低いものが酸性、高いものがアルカリ性です。数値が中性から離れれば離れるほど強い性質であると言えます。
酸性もアルカリ性も強すぎる水溶液は人体に影響を与えることがあります。塩酸や硫酸など極端にpH値が低い強酸性の水溶液や、水酸化ナトリウムなどの強アルカリ性の水溶液は皮膚にかかっただけで火傷のような症状が出るものもあるため、取り扱いには注意が必要です。

pH値によって味や効能が変わりますが、私たちの体にとって最適なpH値とはどれくらいなのでしょうか。私たちの身近な食べ物や飲み物、お水のpH値について話を進めていきます。

まずは、身近なもののpH値を並べてみました。
レモン、酢 pH2~3
スポーツドリンク pH3~4
しょうゆ、ビール、コーヒー、炭酸水 pH4~5
ミネラルウォーター pH7~10
石灰水:pH11~12
油汚れ用洗剤:pH12~13

上記のことから私たちが普段身近に口にしているものは酸性のものが多いことがわかります。一般的に口にすると「酸っぱい」と感じる食品は酸性のものが多いようですが、スポーツドリンクなどもかなりpH値が低く、酸性であることがわかります。逆にアルカリ性のものは手で触るとヌルヌルとしていて、苦みを感じるため、pH10を超えるようなアルカリ性の食品はほとんどありません。
酢などはミネラルを含んでおり、体内でアルカリ性に変わるため、「アルカリ性食品」と言われているものもあります。そうと言ってもアルカリ性食品が体液をアルカリ性に中和してくれるわけではなく、尿酸値を下げる働きがあることから、痛風の改善・予防のためにアルカリ性食品の摂取が推奨されているのです。

私たちの身体は弱アルカリ性

人間の身体のpH値は、常にpH7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれています。そのため、pH値が7.35以下のアシドーシスという状態に陥った場合、不整脈や頭痛、呼吸が浅くなるなどの症状が現れます。また、pH値が7.45以上のアルカローシスという状態になった場合も、しびれや意識障害などの症状が現れます。
ということは、pHの低い酸性の飲み物を摂取した場合に、体が酸性に傾くの?と思いがちですが、酸性の飲み物で体液が酸性に変わることはありません。人間の体には、体内に酸性物質が多くなった場合に、どんどん酸を排出して通常のpH7.4程度に戻す恒常性(ホメオスタシス)という機能が備わっているからです。そのため、どんなに酸性の強いドリンクを飲んでも、その影響で人間の身体がpH7.35以下のアシドーシス状態に陥ることはないのです。

お水のpH値

無色透明の水の中にも、実際にはさまざまな物質が溶け込んでいます。お水のpH値は、お水の種類によって異なります(水道水の水質基準は、pH5.8~8.6です)。

酸性が強いお水とアルカリ性が強いお水、それぞれ特徴があります。
■酸性が強いお水は、殺菌作用が強いため、手洗いや食器洗いに適しています。
■アルカリ性が強いお水は、体内への浸透が早く、モノを柔らかくする作用もあるのでお茶やコーヒー、料理に向いています。
お水は、アルカリ性・酸性のどちらかに極端に偏りすぎると望ましい状態ではありません。強アルカリ性のお水・強酸性のお水は、金属を腐食させたり皮膚を溶かしてしまったりすることもあります。

また、「pHと硬度は同じもの」と思っている方がいるかもしれませんが、この2つはまったく異なるものです。pHは水溶液の性質(酸性・中性・アルカリ性)を数値で表したものであり、硬度は水1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量のことです。

水の硬度についてはこちらの記事へ→
https://www.hummingwater.com/life/public_water/017/

おいしく安全に飲める理想的なpH値の水

先程、記載したとおり、厚生労働省では、水道水に51の水質基準項目と基準値を設けています。51項目のうちの一つで「水質基準に関する省令」にてpH値は「5.8以上8.6以下」(弱酸性~弱アルカリ性)であることが規定されています。やや広範囲な規定ですが、井戸水ですと主に弱酸性を示すことが多く、藻の生えた貯水池においてはアルカリ性を示すことが多いとされています。浄水場から供給される飲料水が水質基準を超えることはありませんが、原水のpH値が基準より高すぎる場合、また低すぎる場合は、浄水場で薬品を用いて、pH値を5.8以上8.6以下の範囲内に調整することで、水道施設の腐食を防止できるだけでなく、安心して飲めるお水にすることができるのです。

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