知っておきたい!水の用語集
水素水とは?通常の水との違いや種類について解説
更新日 : 2021.12.20
水素水とは?
水素水とは、人工的な処理によって水素分子(水素ガス)を溶解させた水を指します。公的には溶存水素の定義や濃度に基準はなく、基本的に無味・無臭・無色の水で、各メーカーによっても溶存水素濃度はそれぞれとなっています。
水素水は、加圧下で水素ガスを水に充填する方法、マグネシウムと水の化学反応によって水素分子を発生させる方法、水を電気分解する方法などで生成されています。
水素水の商品名も「水素水」以外に「活性水素水」や「還元水素水」など、いくつかの表現が用いられています。
水素水の種類は?
一口に「水素水」といっても、飲料用水素水にはいろいろなものがあります。ここでは、主なものをご紹介します。
アルミパウチ、アルミボトル容器入り
アルミパウチやアルミボトル入りの水素水は、密閉性が高く持ち運びにも便利で、外出先での水分補給に使える分、1本あたりの単価が高くなる傾向があります。
必要なときにドラッグストアなどで手軽に買える点はメリットですが、継続して飲む際はコストもかかりやすいといえます。また、直射日光や高温を避けて冷暗所に保管する必要があります。
水素水スティック
水素水スティックは、飲料水の中にスティックを入れると水中の酸素とマグネシウムが結びつくことで水素が析出される仕組みです。水素水スティックには、1回使い切りタイプと、繰り返し使えるタイプの2種類があります。
使い方はペットボトルに水道水やミネラルウォーターなどの水を入れ、その中にスティックを入れてつくります。製品にもよりますが、水素水になるまでの所要時間は短いもので約10分、長いものでは半日程度となります。
また溶存水素濃度は製品によってもさまざまで、水の容量やスティックの本数によっても変わるようです。メリットとしては、作りたての水素水が飲めること、アルミパウチなどよりもリーズナブルである一方、生成まで時間がかかることや手間がかかる点がデメリットです。
水素水生成器
水道水などを電気分解して水素分子を発生させ、水に溶かしこむことで水素水をつくる機器です。生成器には、据え置き型、水道(蛇口)直結型、ウォーターサーバー、ボトル・タンブラーなどの携帯型があります。ウォーターサーバーは、冷水と温水の両方が使えるほか、設置工事が不要ですぐに使えますが、サーバーのレンタル料が毎月かかります。
これらの生成器は、生成できる水素水の溶存水素濃度、浄水できる物質の種類、使いやすさなどによって差があるため、自分に合う機器を選ぶと良いでしょう。
水素水と通常の水との違いは?
水素水と通常の水(ここでは水道水)の違いは、溶けこんでいる水素分子の量です。ただし、実際にどれくらいの差があるかについては、各メーカーで取り扱われている水素水に含まれる水素分子の量にもばらつきが見られるため、確かなデータはないようです。
さらに、水に溶けこんだ水素分子は時間とともに抜けていく特性があります。水素水として販売されている製品の中には、開封後コップに注いで1時間放置すると、溶存水素濃度が半分ほどになってしまうという検証結果も出ているそうなので、開封した後はなるべく早く飲み切った方が良いようです。
水素水は、数年前より美容や健康面などで注目され、抗疲労効果、酸化ストレス抑制、糖尿病の改善などの効果が期待できるということで、一時期は大きな話題にもなりました。ただ、実際の効能についてはまだ明確なエビデンスはなく、効能の有無も可能性として留まっています。現在、特定保健用食品(通称:トクホ)や機能性表示食品として許可や届出をされた水素水の製品もないようです。
水素水を飲むときは、「水分補給として」くらいの気持ちで取り入れるのが良いかもしれません。