残留塩素とは?人体への影響と除去方法を解説

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残留塩素とは?

残留塩素とは遊離残留塩素と結合残留塩素の合計量です。水に塩素を加えると、化学反応を示して塩化水素と次亜塩素酸に変化します。このときの次亜塩素酸を遊離残留塩素と呼びます。遊離残留塩素は水中の窒素化合物と反応してモノクロラミン、ジクロラミン、トリクロラミンなどの物質が生成されます。これら3つを合わせて結合塩素と言い、水中で結合塩素の形で残存するものを結合残留塩素と言います。

遊離残留塩素は殺菌力が強く、水道水やプールの水などの殺菌に利用されます。結合残留塩素は遊離残留塩素に比べると殺菌力が低いですが、温泉施設では殺菌に利用される場合があります。

残留塩素の効果

残留塩素は必ずしも危険な物質ではありません。水道水の殺菌に使われますが日常で水道水を飲用している人も多いですね。河川や湖の水には病気の原因となるさまざまな微生物や菌、ウイルスなどが含まれています。残留塩素にはこのような病原体を死滅させる効果があります。水道法では水道水には1リットル当たり0.1mgの残留塩素を含まなければならないと規定されています。

残留塩素のデメリット

残留塩素は殺菌作用がありますが、デメリットもあります。それは主に以下の2つです。

水道水が不味くなる

水道水を気にせず飲んでいる人もいますが、水道水は不味い、臭いという人も多いですね。最近は美味しい水道水を売りにする自治体も出てきましたが、水道水をそのまま飲む人は年々減ってきています。水道水が不味かったり、臭かったりするのは残留塩素が原因になっている場合があります。俗に言うカルキ臭は残留塩素が原因で発生します。残留塩素自体に臭いはありませんが、残留塩素が水中の有機物と結合することで悪臭が発生するのです。

総トリハロメタンが発生する

総トリハロメタンとはクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、トリブロモメタンの4つの物質の総称です。河川や湖の水に含まれる「フミン質」と呼ばれる物質に残留塩素が反応し、総トリハロメタンが発生します。

WHO(世界保健機関)はこの総トリハロメタンのうち、クロロホルムとブロモジクロロメタンに発がん性の恐れがあると発表しています。水道水中の総トリハロメタンは基準値を設けて管理されているので、人体に影響はほとんどありません。しかし、心配なら除去する必要があるでしょう。

【参考】WHO:List of Classifications, IARC Monographs on the Identification of Carcinogenic Hazards to Humans
https://monographs.iarc.who.int/list-of-classifications

残留塩素の除去方法

残留塩素には家庭でかんたんに除去する方法がいくつかあります。

沸とうさせる

残留塩素は沸とうさせれば分解して揮散します。ただし、沸とうしている時間が短いと総トリハロメタンが増えてしまうので、10分〜30分程度は沸とうさせる必要があります。

日光に当てる

残留塩素は紫外線によって分解されて揮散します。したがって、水を日光に当てれば残留塩素を除去できます。だいたい半日から丸1日程度当てる必要があります。

レモンを搾る

水道水にレモンの果汁を垂らすと残留塩素を除去できます。なぜなら、ビタミンCには還元作用があるからです。ビタミンCの粉末などでも同様の作用があります。レモンの香りがついて爽やかな飲み口になるので飲料水に最適です。

浄水器やウォーターサーバーを使う

浄水器やウォーターサーバーを使えば活性炭の効果で残留塩素を除去できます。ただし、カートリッジの有効期限が切れていると効果が無くなってしまうので、適切な期間で交換するのが重要です。

まとめ

残留塩素は殺菌作用があり、水道水を殺菌するのに有効です。しかし、味や臭いの劣化、総トリハロメタンの発生などの弊害もあります。残留塩素は家庭でもかんたんに除去できるため、気になる方は試してみると良いでしょう。ただし、残留塩素を取り除くと殺菌作用も無くなってしまうため雑菌が発生しやすくなります。残留塩素を除去した水は早めに飲みきるほうが良いでしょう。

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