掃除や消毒などの衛生管理の用途で使用されている、電解水。
こちらの記事では、電解水に関する基本情報から、種類や特徴、具体的な利用方法まで詳しくご紹介します。
日常生活で身近に使われているアルカリ電解水についても取り上げますので、メリットやデメリットを理解し、日常生活でうまく活用したい方はぜひ最後までお読みください。
電解水とは
電解水とは、お水を電気分解することによって生成された酸性・アルカリ性の2種類のお水のことです。2種類はそれぞれ異なる特徴を持っていて、さまざまな場面で利用されています。
例えば、アルカリ電解水は油汚れの分解に優れ、掃除に利用されることが多く、酸性電解水は強力な殺菌効果を持っているので消毒に適しています。
この後、2種類の電解水についてさらに詳しく紹介していきます。
2種類の電解水の特徴やメリット・デメリット
早速、アルカリ電解水と酸性電解水の特徴と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
アルカリ電解水
アルカリ電解水は、電気分解によって生成される電解水の中で、pHが高いお水です。
マイナス極の電流を流すと、アルカリ性の電解水になります。
メリット
アルカリ電解水は、油汚れやタンパク質を分解する力に優れており、キッチンや浴室、室内の掃除に効果的です。
ただし、掃除用のアルカリ電解水はpHが10以上と非常にアルカリ性が強い特徴があります。
一方、飲料用のアルカリ電解水(アルカリイオン水)は、pHが8.5〜9.5のもの(還元水素水)を指します。
体内の酸性を中和する効果が期待され、胃腸の調子を整えるために飲む方もいます。
このように、掃除用と飲料用のアルカリ電解水はアルカリ濃度や用途が異なるため、誤って使用しないように注意してくださいね。
デメリット
アルカリ電解水のデメリットとして、掃除用のアルカリ濃度が高いものは洗浄力が強力すぎて、逆に素材にダメージを与える可能性があることです。
特に、デリケートな素材やコーティングされた表面に使用すると、傷つけてしまう恐れがあるので、使用する際は十分に注意しましょう。
使う前に、目立たない場所でテストするのも1つの方法です。
傷つきやすい場所に使用する場合は、アルカリ濃度の低いものを使うのもおすすめです。
酸性電解水
酸性電解水は、アルカリ電解水と反対でpHが低いのが特徴です。プラス極の電流を流すことで、酸性の電解水が生成されます。
メリット
酸性電解水は、強力な殺菌効果を持っているのがメリットです。知名度の高い酸性電解水には次亜塩素酸水があり、食品の殺菌や調理器具の消毒などに活用されているものです。
また、強力な酸性電解水は医療現場でも使用され、手術器具の消毒などにも使われています。
殺菌効果は強力ですが、主成分が人の体内で生成される成分などであることから安全性が高く、さまざまなシーンで使用しやすいのが特徴です。
デメリット
酸性電解水のデメリットは強力な殺菌効果がある分、逆に物質に対して悪影響を与える可能性があることです。
特に、金属製品に使用すると腐食を引き起こす場合があります。また、酸性電解水は保存が難しく、長期間保存することができません。
そのため必要な時に必要な量だけ生成する必要があり、生成機がない家庭では使用が難しいと言えます。
次亜塩素酸水についてはこちら:次亜塩素酸水とは?
電解水の家庭用と業務用の違いは?
電解水には家庭用と業務用があり、その主な違いは水素イオン指数(pH値)です。
電解水には酸性電解水とアルカリ電解水がありますが、今回は家庭で使用されることの多いアルカリ電解水に注目して説明します。
家庭用のアルカリ電解水は一般的にpH11〜12程度です。一方、業務用や業務用水準のものになると、pH値が12.5〜13のものもあります。
このpH値の違いが洗浄力に大きな影響を与えます。
業務用のアルカリ電解水を使うと、よりしっかりとした汚れ落ちが期待できるでしょう。
とはいえ、家庭用も業務用も元はお水なので、きちんと保存しないと中和してただの中性のお水に戻ってしまうこともあるので注意しましょう。
アルカリ電解水でお掃除できる場所
ここからは、アルカリ電解水を使って掃除するのがおすすめの場所を紹介します。
アルカリ電解水は酸性の汚れ(油汚れや皮脂汚れなど)に強いので、これらが気になる場所に特に効果的です。
フローリングや家具など
アルカリ電解水は、フローリングや家具の掃除に適しています。特に、フローリングの表面に付着した油汚れや皮脂汚れ、ホコリを効果的に除去できます。
アルカリ電解水を使えば、家具の表面を傷つけずに、指紋などの汚れを簡単に取り除けるので便利です。
フローリングや家具にスプレーして、やわらかい布で拭くだけで、スムーズに掃除が完了します。
アルカリ電解水での拭き掃除は、洗剤成分が入っていないので2度拭き不要なのも魅力です。
キッチンの油汚れなど
アルカリ電解水は油汚れを分解する効果が高いため、キッチンのコンロやレンジフード、シンクなどの掃除にぴったりです。
スプレーボトルに入れたアルカリ電解水を汚れた箇所に吹きかけて、布やスポンジで拭き取るだけで、簡単に油汚れを落とすことができます。
アルカリ電解水の濃度によって頑固な汚れにも対応できるので、なかなか取れない油汚れは濃度が高いものを使ってみましょう。
浴室の湯あかや水あかなど
浴室の湯あかや水あかの掃除にも、アルカリ電解水が活躍します。
シャワーヘッドやタイルの目地、鏡などに付着した汚れもアルカリ電解水をスプレーしてから拭き取ってみましょう。
水回りの汚れなら、こすってから洗い流すだけできれいになるので簡単ですね。
電解水を上手に活用しよう
今回は、電解水の特徴や使い方、メリットやデメリットを詳しく解説しました。
酸性電解水は殺菌や消毒に、アルカリ電解水は家庭内のさまざまな場所の掃除に利用することができます。
酸性電解水は生成機が必要になるため家庭で使われることは少ないですが、アルカリ電解水は市販のスプレーが販売されているので手軽に使えます。
電解水の特徴を理解し、ご家庭で上手に活用してみてください。
〈参考サイト〉
アルカリ電解水とは? 汚れを落とす特徴・効果とお掃除での活用法|くらしスタイル研究所
(2024-7-24)