知っておきたい!水の用語集

水の水質汚濁を知る指標「溶存酸素」とは

溶存酸素とは

溶存酸素とは、水中に溶けこんでいる酸素を指し、水温・塩分濃度・気圧などの影響を受けるとされています。
一般的に、酸素が溶けこむ量は水温が低いほど、また圧力が大きいほど多くなります。水中に棲む生物は水に溶けこんだ酸素を体に取りこみながら生きているので、生物数が多ければ多いほど水中の酸素も呼吸で消費されることになり、溶存酸素濃度は低くなります。
また汚濁が進んだ河川などでは、好気性微生物による有機物分解によって多量の酸素が消費されるため、やはり溶存酸素濃度は低くなります。
こうした環境下では、気温の高い夏期になると溶存酸素不足によって水中生物が減少しやすくなります。溶存酸素は河川などの水の汚れ具合を測るための指標の一つとされています。

水温上昇と水質悪化により湖沼の溶存酸素量が減少

海に生息するあらゆる生物にとって、溶存酸素濃度は大きな影響を及ぼすといわれています。これまでも世界中の海域で行われた調査によって、溶存酸素濃度が低下していることは報告されていました。その一方、世界中の湖沼の溶存酸素濃度については、世界的な比較調査はおこなわれてきませんでした。

そんな中、米国レンセラー工科大学と日本の国立環境研究所などの国際研究チームは、調査結果として「世界の温帯域の湖沼の溶存酸素濃度が目立って減少していること、水温上昇と水質悪化が強く関係していること」などを発表しました。

その報告によると、溶存酸素濃度の低下は気候変動にともなう水温上昇の影響によるものとし、水中生物の生育環境に大きな影響を与えているだけでなく、水質悪化によって温室効果ガスの一つであるメタンガスの放出にもつながっていることを示唆しました。
そのため、湖沼流域からの栄養塩の負荷を減らすなど湖沼の水質改善対策が必要であると、研究チームは警鐘を鳴らしています。
この調査では、北アメリカ、ヨーロッパ、ニュージーランド、日本の霞ヶ浦(茨城県)を含む計393の湖沼の37年間の観測データが対象とされました。

「酸素水」のさまざまな効能

私たちが普段使用する水道水に含まれる酸素量よりも、より多くの酸素を人工的に溶けこませた水として「酸素水」というものがあります。
1990年初め以降、水道水に酸素を含ませるための装置や酸素濃度を上げた酸素水は、商業品として生産されるようになり、主に欧米で販売されてきました。
酸素水には、免疫機能を高められる効果が期待できるほか、さまざまな疾患に対して効果や、アルコールの解毒作用を促進するという報告もあるようですが、詳しいエビデンスまでは出ていないようです。

・酸素水は豚の免疫活性を高め、サルモネラ・ティフィムリウム感染豚の免疫応答も促進
https://www.shokukanken.com/column/stock/001161.html

酸素水は豚の免疫活性を高め、サルモネラ・ティフィムリウム感染豚の免疫応答も促進

養豚業者にとって、サルモネラ菌などの感染症は経済的損失をもたらす疾病の一つとして、長くその対策に悩まされてきました。
そんな中、酸素水を飲ませた豚にサルモネラ・ティフィムリウムを感染させた場合、酸素水がどのような影響を与えるかを確認した試験結果が、業界紙で報告されています。

・酸素水は豚の免疫活性を高め、サルモネラ・ティフィムリウム感染豚の免疫応答も促進
https://www.shokukanken.com/column/stock/001161.html

それによると、試験期間中に酸素水を飲ませた豚は飲ませていない豚と比べて、白血球数やサイトカインの発現量が明らかに高い値を示したとされたそうです。
なぜそのような結果になったのか、基本的なメカニズムは明らかにはなっていないようですが、これらの効果は酸素水が酸素ラジカルの発生、または低酸素状態の軽減をもたらしたのではないかと推察されているようです。

今回は、豚に酸素水を飲ませることによって免疫が強化されることが確認されたという報告でしたが、免疫が強化されるということは、サルモネラ・ティフィムリウムだけでなく、そのほかの病原体に感染した場合も同様の効果が得られる可能性があるかもしれません。
養豚業を営む事業者にとっても、今後の事業における事故率の改善につながることが期待されているようです。

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