「ミネラルウォーターのラベルに鉱水と書いているけれど、どのような特徴があるのかな?」「鉱水と硬水は別物なの?」と疑問に思ったことはありませんか?
こちらの記事では鉱水とはどんなお水なのか、さらに硬水や軟水の特徴や違いについても詳しく解説していきます。
鉱水とは?定義や特徴をチェック
はじめに、鉱水とはどのようなお水なのか確認していきましょう。
鉱水とは自然のミネラルを含んだお水のこと
鉱水とは、ポンプなどで汲み上げられた、自然のミネラル成分を含む地下水のことです。ミネラルの量は採水地などにより異なりますが、ミネラルの量に限らず少量でも含まれる場合は鉱水に分類されます。
また、鉱水は市販のミネラルウォーターの原水になることもあります。ミネラルウォーターのラベルには原水の種類を記載することが義務付けられており、これは農林水産省が定める「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」に基づいています。
原水には鉱水以外の種類のお水が使われることもあり、そちらについては以下の記事で解説していますので、ぜひご確認ください。
原水の種類についてはこちら:湧水とは?特徴や湧水の名所、そのまま飲めるかなどわかりやすく解説
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれる
先ほど述べた通り、鉱水にはカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。
これらのミネラルは体に必要な栄養素のため、日常的に摂取することで健康をサポートする効果が期待できます。
鉱水は地下層を通過するときにさまざまなミネラルを含みますが、ミネラルの含有量に明確な基準があるわけではありません。
そのため、ミネラルの含有量が少なくても、鉱水と位置づけられる場合もあります。
ミネラル摂取で美容・健康効果が期待できる
鉱水は、ミネラルを体に取り入れることで美容や健康の効果が期待できます。
例えばマグネシウムは便に水分を吸収させ、便秘の解消に役立つとされています。
また、カルシウムは脂肪の吸収を抑える効果が期待できるため、ダイエットにもつながることが期待できます。
ミネラルは日常生活で不足しがちなので、鉱水を飲むことで手軽にミネラル補給ができるのも大きな魅力です。
鉱水と硬水は別物!違いをわかりやすく解説
「こうすい」と聞くと「硬水」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、「鉱水」と「硬水」は別の言葉です。それぞれを詳しく解説していきます。
鉱水はミネラルを含むお水で、硬水は硬度の高いお水のこと
ここまで解説した通り、鉱水はポンプなどで汲み上げられた、自然のミネラル成分を含む地下水のことです。
対して、硬水はミネラル成分を多く含むお水のことを指し、反対の意味を持つ言葉として軟水があります。
つまり、ポンプで汲み上げられたミネラル成分を含むお水のことを総称して鉱水と呼び、その中でミネラルの多い(硬度の高い)お水を硬水と呼びます。
硬水・軟水とはお水の硬度による分類
硬水と軟水は、含まれるミネラル成分の量に基づいて分類されます。ミネラル成分の量の多さ・少なさを表すものが、「硬度」です。
そもそも硬度とは、お水に含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンを合計したものを炭酸カルシウムに換算して表示します。
硬度が高い場合は硬水、低い場合は軟水です。日本のお水の多くは、軟水に分類されます。
硬水と軟水は、お水に含まれるミネラル成分の量による分類だと覚えておきましょう。
硬水と軟水の特徴の違いは?
ここからは、硬水と軟水の特徴の違いを確認していきます。ミネラルの含有量が違うことで、どのような違いがあるのか見てみましょう。
硬水と軟水の違いや使い方
硬水と軟水を区分する硬度の高さは、WHOの飲料水水質ガイドラインにより以下の基準で決められています。
●軟水:硬度60mg/L未満
●中程度の軟水:硬度60~120mg/L未満
●硬水:硬度120〜180mg/L未満
●非常な硬水:180mg/L以上
先ほど日本のお水は軟水がほとんどだと説明しましたが、反対にヨーロッパは硬水がとても多いです。
硬水はしっかりとしたミネラルの風味があるため、軟水を飲み慣れている日本人には苦みを感じて飲みにくいと言われることもあります。
しかしヨーロッパで採水される硬水は、現地の料理とは相性がよいのが特徴です。硬水に含まれるカルシウムがパスタのでんぷんと反応して、コシのある食感に仕上がります。また、肉を煮込む際にも、ミネラルが肉を柔らかく仕上げるため、煮込み料理にも適しています。
一方、軟水は日本料理やお茶、コーヒーを淹れるのに最適です。料理の繊細な味を引き立てるため、和食には軟水がおすすめされています。
土地ごとのお水に合わせた料理が発展したとも言われているので、とても興味深いですよね。
日々の水分補給は軟水がおすすめ
基本的に日本人は軟水を飲み慣れているので、硬水の味に慣れておらず、飲みにくいと感じる方も多いです。加えて、硬水にはミネラルがたっぷり含まれているので、お腹がゆるくなる場合もあります。
また、内臓の発達が未熟な赤ちゃんやこども、持病のある方にはミネラル豊富な硬水は、体の負担になることがあるので注意してください。
そのため、日本人は体質に合った軟水で日常的な水分補給をするとよいでしょう。
鉱水と硬水・軟水の違いを知っておこう
今回は、鉱水の特徴や硬水との違い、硬水・軟水の特徴などを詳しく紹介しました。
鉱水はミネラルを含むポンプなどで汲み上げたお水のことです。鉱水の中でも硬度の度合いによる分類を硬水・軟水と呼び、硬水と軟水では、味に違いがあり、向いている料理も異なります。
これらのお水の違いや特徴を覚えておき、水分補給や料理の際のお水選びにぜひ、お役立てください。
〈参考サイト〉
軟水・硬水ってなあに?|神奈川県
ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン|一般社団法人日本ミネラルウォーター協会
(2024-9-13)