知っておきたい!水の用語集

水を汚染する農薬(CAT)とは?人体への影響や除去方法を解説

農薬(CAT)とは?

CATとは環境ホルモンであると疑われている物質です。正式名称は「2-クロロ-4,6-ビス(エチルアミノ)-s-トリアジン」と呼ばれます。常温では白い色をした粉末状の固体で、特に臭いなどはしません。CATは主に除草剤として使われます。CATを植物の周りに散布すると、根から成分が吸収されたあと、体内に移行し、光合成を阻害して枯らす働きをします。効き始めるのにはある程度の時間がかかりますが、約40日〜50日の効力持続時間があります。

しかし、農薬取締法によって水質汚濁性農薬に指定されているため、注意が必要です。CATは地下水や河川に流れ込み、水を汚染する可能性があるからです。

農薬(CAT)の毒性

国際がん研究機関(IARC)はCATの発がん性について実験をしています。ラットに対して経口投与したところ乳腺腫瘍の頻度増加が見られました。しかし、マウスでは腫瘍の増加は見られませんでした。この研究結果を元に、IARCは動物実験において発がん性の根拠は限定的としています。

また、ヒトについてはCATの発がん性に関する情報はありません。したがって、IARCはCATについて「発がん性が分類できない」としています。しかし、先述したように農薬取締法にて規制されている水質汚濁性農薬なので、摂取は避けた方が無難でしょう。

農薬(CAT)と水道水

CATは使用されると土壌に浸透し、地下水や河川に流れ込むおそれがある為、水道管理目標設定項目に指定されており、基準値以上に高くならないように管理されています。水道管理目標設定項目とは水質基準を補完する目的で設定された目標値で、水質基準として指定するほどの被害はないが、人間が生活用水として使うために管理したほうがよい項目という位置づけです。

水道管理目標設定項目ではCATは1リットル当たり0.003mg以下と規定されています。しかし、検出されるのは基準値の10%以下の量がほとんどなので、そんなに神経質になる必要はないでしょう。

【参考】厚生労働省:シマジン(CAT)
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/dl/moku15-2.pdf

農薬(CAT)の除去方法

CATは浄水器を使えば家庭でも除去できます。その際には活性炭を利用した浄水器を使いましょう。浄水器のパッケージには除去可能物質が書かれている場合が多いので、CATが含まれていることを確認してから購入してください。浄水カートリッジには有効期限があり、有効期限を過ぎると浄水能力が低下する可能性がありますので、期限が来たら新しいカートリッジに交換しましょう。また、浄水器を使うと消毒用の塩素も除去されてしまうので雑菌が湧きやすくなります。浄水器を通した水は早めに飲みきることをおすすめします。

農薬と浄水器に関する誤解について

浄水器メーカーのマーケティング戦略として「浄水器を通した水に野菜を浸けると野菜の農薬が除去できる」という機能を謳っている場合があります。しかし、ほとんどの場合これには科学的根拠がありません。確かにアルカリ性の水に野菜や米などを浸けると水が黄色い色や赤い色に濁る場合があり、何かの成分が除去されているような印象を受けます。しかし、これはアルカリによって野菜や米の表面の色素が溶け出しただけであり、農薬が溶け出しているわけではありません。

そもそも残留農薬は農薬取締法で厳しく規制されており、野菜や果物から残留農薬が検出されるケースはほとんどありません。浄水器の農薬(CAT)除去はあくまでも水道水に含まれるCATを活性炭で除去するものであり、農薬除去の機能を水に付加するものではありません。誤解しないようにしましょう。

【参考】東京都福祉保健局:野菜には、どの程度農薬がついているのですか?【食品安全FAQ】
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/anzen/food_faq/zanryu/zanryu06.html

まとめ

農薬(CAT)は農薬取締法によって水質汚濁性農薬に指定されている物質です。人体への影響については情報がなく、動物実験でもそれほど強い毒性が確認されているわけではありません。しかし、水道管理目標設定項目に指定されており、水道水の中に一定以上含まれないように規制されています。もし心配なら浄水器で除去できます。

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