新型コロナウイルスの流行により、自宅でも使う方が増えた「次亜塩素酸水」。
でも実際のところ、「どんなときに使える?」「使用する際に注意することは?」など気になることも多いのではないでしょうか?
今回は、次亜塩素酸水の特徴や効果、種類やその違い、使い方、使用時の注意点まで幅広く紹介します。
次亜塩素酸水をご家庭で取り入れてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
次亜塩素酸水とは?特徴や効果をチェック
はじめに、次亜塩素酸水とはどのような特徴を持つのか、どのような効果があるのかを確認していきましょう。
ヒト由来の免疫成分「次亜塩素酸」を主成分とした溶液
次亜塩素酸水は、ヒトの体内でも免疫機能の一部として生成される次亜塩素酸を主成分とした溶液です。
白血球が病原体を攻撃する際に生成されるこの成分は、非常に強力な酸化作用を持ちます。
この性質を利用して作られた次亜塩素酸水は強力な除菌効果があり、体内でも生成されることから安全性も高く、幅広い用途に使用されています。
除菌・消臭効果がある
次亜塩素酸水の主な特徴は、強力な除菌効果や消臭効果があることです。
細菌やウイルスに対して効果的に働きかけ、これらの病原体を分解して無害化します。また、臭いの原因となる物質も分解するため、消臭効果もとても高いです。
家庭でも、さまざまな場所やシーンで除菌・消臭効果を発揮することができます。
弱酸性で肌に触れても安心
次亜塩素酸水は弱酸性であり、万が一人の肌に触れても安全性が高いと言われています。
肌に対して刺激が少なく、手肌の除菌や食品の除菌にも使用できます。安全性の高い除菌剤として、次亜塩素酸水は小さなこどもやペットのいる家庭でも安心して使用できるのが特徴です。
アルコールなどを使用するのが心配な方は、次亜塩素酸水を取り入れてみるといいでしょう。
次亜塩素酸水の種類
次亜塩素酸水には、大きく分けて2つの種類があります。それぞれの特徴を紹介していきます。
電解型次亜塩素酸水
電解型次亜塩素酸水は、塩酸や塩化ナトリウムを電気分解することで生成されるものです。
この方法によって生成される次亜塩素酸水は、とても高い除菌力を持ち、食品工場や医療機関などでも使用されています。
以下の3種類は、厚生労働省で使用基準や成分規格が決められています。
強酸性次亜塩素酸水 | 0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽で電解して得られる水溶液で、pH値が2.7以下です。 このタイプの次亜塩素酸水は非常に強力な酸化作用を持ち、特に医療機関や食品加工施設での除菌に利用されます。 |
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弱酸性次亜塩素酸水 | 弱酸性次亜塩素酸水は、適切な濃度の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽で電解して得られる水溶液、または陽極側から得られる水溶液に陰極側から得られる水溶液を加えて作られる水溶液です。 pH値は2.7〜5.0です。このタイプの次亜塩素酸水は、皮膚に優しく、食品や手の除菌、ペットのケアなど、家庭内での幅広い用途に適しています。 |
微酸性次亜塩素酸水 |
微酸性次亜塩素酸水は、2〜6%の塩酸および必要に応じて塩化ナトリウム水溶液を加え、無隔膜電解槽で電解して得られる水溶液です。 |
非電解型次亜塩素酸水
非電解型次亜塩素酸水は、電気分解以外の生成方法で作られる次亜塩素酸です。
例えばジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの粉末を水に溶かすことで、次亜塩素酸水が生成されます。
「塩素系漂白剤も次亜塩素酸水と同じもの」とよく勘違いされるのが、これらは別物です。塩素系漂白剤の主成分は次亜塩素酸ナトリウムで、名称は似ていますが違うものなので注意しましょう。
次亜塩素酸水の取り入れ方
ここからは、ご家庭で次亜塩素酸水を使う際のポイントを紹介します。どのような場面で使えばいいのか、チェックしておきましょう。
ウイルス対策
次亜塩素酸水は、ウイルス対策にとても効果的です。ドアノブやスイッチ、リモコンなど、手が触れることの多い場所を定期的に次亜塩素酸水で拭き取りましょう。
ウイルスを持った人がドアノブを触り、そのまま他の人が触ると感染してしまう可能性がありますが、次亜塩素酸水で拭くことで感染リスクを低減することができます。また、次亜塩素酸水をスプレーボトルに入れて、よく触る場所や空間に吹きかけておくのもおすすめです。
消臭対策
次亜塩素酸水は消臭効果も高く、ペットやゴミ、トイレの臭いなど家庭内のさまざまな気になる臭い対策に効果的です。
臭いの原因となる物質を次亜塩素酸が分解するため、臭いの元から消臭することができます。スプレーボトルに入れて、気になる場所にスプレーするだけで簡単に消臭ができます。
花粉やダニ対策
次亜塩素酸水は、花粉やダニ対策にも使用できるのが魅力です。
布団やカーペット、カーテンなどに次亜塩素酸水をスプレーすることで、ダニや花粉のアレルゲン物質を減らすことが期待できます。特にアレルギー体質の方や小さなこどもがいるご家庭なら、次亜塩素酸水をスプレーボトルに入れて常備しておくといいでしょう。
次亜塩素酸水を使用する場合の注意点
ここからは、次亜塩素酸水を使用する際に注意したいポイントを紹介します。安全性の高い次亜塩素酸水ですが、使い方を間違えると効果が発揮できなかったり安全性が失われたりするので注意しましょう。
次亜塩素酸ナトリウム液などと間違えない
先ほどもお伝えした通り、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液は名前が似ていますが、全く異なるものです。
次亜塩素酸ナトリウム液は漂白剤などに使われる強力な化学薬品で、皮膚に触れると危険です。次亜塩素酸水を購入する際には、必ずラベルを確認し、間違わないように注意してください。
冷暗所で保管し、使用期限を守る
次亜塩素酸水には使用期限があります。購入時には必ず使用期限を確認し、その期間内に使い切るようにしましょう。
また、光や熱に弱いため、直射日光が当たらない冷暗所での保管がおすすめです。特に夏場など温度が高くなる季節には、冷蔵庫での保管も検討するとよいでしょう。
使用期限が過ぎたり、保管場所が適切でない場合、次亜塩素酸の効果が低下し、十分な除菌や消臭効果を得ることができなくなる可能性があります。
効果的に使用するためにも、使用期限や保管場所の管理を徹底してください。
食品に使用するなら最後にしっかり除去する
次亜塩素酸水を使って食品を殺菌する場合は、最後に飲用できるお水でしっかりと洗い流すようにしましょう。
次亜塩素酸水は安全性の高い成分ではありますが、積極的に体内に取り入れるものではありません。
ですので、殺菌に使用した後は食べる前にきれいに洗い流すことが推奨されています。
次亜塩素酸水を正しく使って安全に除菌!
今回は、ヒト由来の優しい除菌剤として知名度が上がってきている、次亜塩素酸水について解説しました。
次亜塩素酸水は、除菌や消臭効果はもちろん、花粉やダニの対策にもなります。アルコールや塩素系洗剤などと比べて、人に優しい弱酸性タイプなので安心して使用できます。ただし、似た名前の「次亜塩素酸ナトリウム」は全くの別物ですので、間違えて使わないように注意してください。
また、保管場所や使用期限を守って、正しく活用しましょう。
〈参考サイト〉
次亜塩素酸水|厚生労働省
(2024-7-26)