お店などで「酸素水」を見かけて、「酸素水は体に良いの?」と疑問に思ったことがある方は多いかもしれません。
体に良いとされる一方で、効果についてはっきりしない点もあります。
こちらの記事では、酸素水の基本的な特徴やどのように取り入れると良いかなどを詳しく解説します。
興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
酸素水とは?基本的な特徴をチェック
まずは、酸素水とはどのようなお水なのかチェックしていきましょう。
通常の飲用水に酸素を溶かし込んだお水
酸素水は飲料水に酸素を溶かし込んだもので、手軽に酸素を補給できる商品として注目されています。
酸素水は液体の中に酸素が溶け込んでいるため、水分補給をしながら手軽に酸素を体に取り込めることが期待されています。
酸素量は製品によって異なる
酸素水に含まれる酸素の量は、製品によって異なります。中には、通常の呼吸で取り入れることができる酸素量と同程度のものもあれば、より多くの酸素が溶け込んでいるものもあります。
とはいえ、酸素含有量が多いから健康効果が高いという科学的根拠は今のところ証明されていません。この点については、後ほど詳しく解説します。
価格は150〜400円/500ml程度で、一般的な天然水より高め
酸素水は、500mlあたり150〜400円程度で販売されており、一般的な天然水やミネラルウォーターと比較するとやや高めの商品が多く、これは酸素が溶け込んでいることや特殊な製造過程が価格に影響していると考えられます。
酸素水は体に良い?効果について解説
酸素水について、体へどのような影響があるのか、気になっている方は多いはずです。ここからは効果について解説していきます。
体内の酸素不足を補う
酸素水は通常のお水に酸素を溶かし込んでいるため、体内の酸素不足を補えることを期待している方が多いのではないでしょうか。
特に運動後や疲労感を感じたときに酸素水を飲むことで、酸素が体内に取り込まれ、回復が促されると言われています。
また酸素が多く含まれているため、呼吸が浅くなるようなストレスを感じているときや体力を使い切ったときにも、役立つとされています。
血流改善によるデトックスやダイエット効果
酸素水を飲むと、デトックスにつながると聞いたことがあるかもしれません。これは、酸素水を飲むことで、血流が改善が促され、体内の老廃物が効率的に排出されると考えられているからです。
さらに血流改善によって新陳代謝が活性化されるため、脂肪燃焼が促進されることから、ダイエット効果も期待されています。
明確な医学的・科学的根拠はなく効果は個人差が大きい
しかし、ここまでいくつかの効果を紹介しましたが、酸素水の効果についてはまだ明確な医学的・科学的根拠がないのが現状です。
「疲労回復になった」「集中力が向上した」といった声が一部として挙げられていますが、すべての人に同じ効果が出るとは限りません。
また酸素水を飲むことによって、酸素を体内に取り込む量がどれだけ増加するかについても科学的には明確に示されていません。
そのため酸素水の効果を過度に期待するのは避け、水分補給の一環として取り入れるのがよいでしょう。
酸素水の正しい飲み方とは?適切な摂取方法を紹介
続いて、酸素水を取り入れる際の正しい飲み方をご紹介します。
酸素含有量が記載されたお水を選ぶ
酸素水を選ぶ際は、まず製品に記載された酸素含有量を確認することが重要です。
酸素水に科学的根拠はないとはいえ、せっかく取り入れるならしっかりと酸素が含まれているものを選ぶほうがいいでしょう。
製品によって酸素の濃度が異なるため、購入前にラベルをチェックし、酸素含有量がしっかり明記された商品を選ぶのがおすすめです。
また酸素水の原水には天然水や純水などがあるので、好みに合ったタイプを選ぶといいでしょう。
開封後はなるべく早く飲み切る
酸素水は開封すると、時間とともに酸素が抜けやすくなります。そのため、一度ボトルを開けたらなるべく早めに飲み切るようにしましょう。
開封後に酸素が抜けてしまうと、本来期待されていた酸素の補給効果が十分に発揮されない可能性があります。
冷蔵保存をしても酸素は抜けてしまうので、開封後の酸素水は速やかに飲む習慣をつけるとよいでしょう。
1日にコップ1杯を6〜8回に分けて飲む
酸素水の摂取は、1日を通じてこまめに飲むことが推奨されます。
理想的な飲み方は、1回にコップ1杯(約150〜250ml)程度を、6〜8回に分けて飲むことです。これは体内に酸素と水分を効率的に取り入れるための方法としておすすめされており、運動後や入浴後のタイミングでも飲むようにしましょう。
また朝起きた直後や就寝前に飲むことも、体内の水分バランスを整えるために有効とされています。
酸素水を飲む際の注意点
最後に、酸素水を飲むときに注意したいポイントを紹介します。
一気飲みをしない
酸素水を飲む際に、まず避けたいのが一気飲みです。こちらは酸素水だけでなく飲料水すべてに言えることですが、急激に大量摂取すると体に負担がかかります。
特に、一気に飲むことで体内の塩分濃度が一時的に低下し、「低ナトリウム血症(水中毒)」を引き起こす可能性があるので注意しましょう。
体内の水分と電解質のバランスが崩れることで起こる低ナトリウム血症には、めまいや吐き気、さらには意識障害などの症状があります。
酸素水は、一気飲みせずゆっくりと飲むのがおすすめです。
適量を守って飲む
こちらも酸素水だけに限った話ではありませんが、お水を飲む際には適量を守ることが重要です。
1日の水分摂取量の目安は体重1kgあたり約35mlと言われていて、こちらは食事や他の飲み物からの水分も含まれます。
そのため酸素水だけを大量に飲むことは避け、全体の水分バランスを考慮して摂取することが大切です。
過剰に摂取するとむくみや消化不良などの原因にもなるため、自分の体に合った適量を飲むよう心がけましょう。
冷やさず常温で飲む
酸素水は冷やして飲むほうが飲みやすいと感じるかもしれませんが、内臓への負担を考慮すると常温での摂取がおすすめされています。
特に冷たい飲み物を過剰に摂取すると、内臓機能の低下を招く恐れがあります。胃腸の働きが鈍くなり、消化不良や便秘、下痢の原因になることがあるため注意が必要です。
常温の酸素水なら体に優しいので、なるべく意識するのがおすすめです。
酸素水は水分補給の一環として取り入れよう
今回は、酸素水の特徴や効果、飲み方、注意点をご紹介しました。
酸素水は、手軽に酸素を補給できる商品として注目されています。体内の酸素を補うことで、運動後の疲労回復や血流改善によるデトックス、ダイエット効果が期待されます。ただし、効果には個人差があることを覚えておきましょう。
すべての人に同じような効果が表れるわけではないことを理解した上で、水分補給の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。
〈参考サイト〉
「酸素水」の効果に関する情報|国立健康・栄養研究所
「健康のため水を飲もう」推進運動|国土交通省
(2024-9-30)