海外で水道水は飲んでも大丈夫?

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執筆者プロフィール
はじめての育児をスタートさせたばかりのライターの「なぎさ」。家のインテリアは夫のこだわりに従って、余計なものは買わないようにいつも注意している。「時短」や「手抜き」という言葉が大好き。赤ちゃん中心の生活にも少し慣れてきたところ。

海外の水道水事情

海外旅行は楽しいことがいっぱい!観光や買い物を楽しんだり、現地のグルメを満喫する方も多いと思います。私は海外旅行が趣味のうえ、仕事でも海外に行く機会が多く、以前は年に10回ほどいろいろな国を訪れていました。その際にどこの国に行っても、現地の日本人やガイドさんから言われることは「水はペットボトルのものを飲んでください」です。何度も言われるので、なんとなく海外の水道水はそのまま飲んではいけないと言うことはわかっていますが、なぜなのでしょうか?
今回は海外の水道水について述べていこうと思います。

海外の水道水で水あたりや腹痛に

日本ではありがたいことに水道の蛇口をひねるだけで、水がそのまま飲めますので、日本にいる感覚で海外の水道水を飲んでしまい、水あたりや腹痛になる方がいます。そもそも水あたりとはどのような症状で、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。

水あたりとは文字通り、「水にあたる」ことです。一般的には、海外の水道水や氷の入った飲料水など細菌やウイルスに汚染された水を飲んだ時や硬水を飲んだときに起こる下痢、軟便、嘔吐といった症状のことです。日常生活では、過剰な水分摂取で水分吸収がうまくいかないことによって、胃腸に負担をかけたり、身体の冷えから下痢・軟便となる場合があります。これらはすべて、水にあたって起こるもので「水あたり」と言えます。水あたりの症状は下記のようにいくつかあります。

●軟便、下痢
水あたりの症状として最も多いのが軟便・下痢です。1日に4~5回の軟便、もしくは水便が出るという症状です。原因となる細菌は、コレラ菌、細菌性赤痢菌、毒素原性大腸菌などがあります。
また、下痢や軟便は感染性以外の原因(体調・食生活の変化・ストレス・飲料水の硬度の違い・脂肪分や香辛料、アルコールの過剰摂取)の場合もあります。

●腹痛
細菌性赤痢、毒素原性大腸菌、カンピロバクター腸炎などの細菌が、激しい腹痛を引き起こすことがあります。

●吐き気、嘔吐
吐き気や嘔吐を引き起こす病原菌はコレラ菌、毒素原性大腸菌などがあります。

●発熱
腸チフス・パラチフス、細菌性赤痢など、料理や飲料水に含まれる病原菌が原因で激しい発熱を引き起こすこともあります。

このような海外での水あたりの原因は大きく2つあります。それは「硬度」と「浄水機能の不足」です。詳しく述べていきます。

○日本の水道水と硬度が違うから
日本の水道水は軟水ですが、海外の多くの国がカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多い硬水なので、慣れない日本人は腹痛やおなかを下してしまうことがあります。海外のシャワーで髪の毛がバシバシになったしまった!と言うのも硬水のせいです。
また、水道水だけでなく、海外で販売されているミネラルウォーターは硬水が多いので、購入する際は表示ラベルをチェックすることをおすすめします。

水の硬度についての記事はこちら
硬水と軟水の違いって? 上手に使い分けをしよう
水道水の成分って?硬度を測って水質をチェック

○浄水機能が不足している
日本の水道水は、水道法により水質基準51項目が定められていて、その項目に準じて処理されています。厳しい品質管理のもと水質基準をクリアしており、高い安全性を誇っていますので、そのまま飲んでも健康上の問題はないと言われています。しかし、海外では国によって、水道水の水質基準は様々ですし、日本のように水道インフラが整っていない国が多く、細菌やウイルスに汚染された水が水道水として、利用させていることが考えられます。
また、日本に住んでいると、高い水質基準の水道水に身体が慣れているため、現地の人が大丈夫な水でも、日本人が飲むと水あたりになるケースがあります。

水道水が飲める国はたったの9カ国

世界の中で安全な水道水を使える国は本当にごくわずかしかありません。国土交通省の資料によると、水道水をそのまま飲める国は日本を含む9カ国で、そのまま飲めるが注意が必要な国は21カ国です。また、先ほども述べたように、水道水を飲める国でも、硬水の国ですと、日本人には不向きなので、飲まないほうが無難です。
海外では、飲み水以外にも気をつけたほうが良い「水」がありますので、いくつかお伝えしておきたいと思います。

飲み水以外でも油断は禁物

飲み水はミネラルウォーターを買って飲むように心がけているけれど、腹痛になってしまった…ということをよく聞きます。一体なぜなのでしょうか?いくつか原因が考えられますが、ひとつはレストランで注文したドリンクに入っている氷です。レストランによっても異なりますが、氷を生水で作っているところが多いので、これが腹痛の原因になってしまう恐れがあります。
また、私の経験ですが、しっかりミネラルウォーターを注文したのに、よく見るとボトルのキャップが開いていた…と言うことが幾度もありました。中身の入れ替えをしている店や露店がありますので、ミネラルウォーターが新しいものかも飲む前にチェックしたほうが良さそうです。
ほかにもサラダを食べて腹痛になることもあります。水道水で洗った野菜を口にしてしまうことはよくありますので、火を通したものを食べるのが無難です。東南アジアの国などでカットフルーツを食べる時も注意してください。
盲点なのが歯磨きです。歯磨きをする際も念のため、ミネラルウォーターでうがいをすることをおすすめします。

水に気をつけて楽しい旅を

一緒に海外旅行をした友人が腹痛で一晩寝ることができず、翌日もダウンしてしまい、私はひとりぼっちで観光したことがありました。この時の腹痛の原因は夕食で食べてしまった生野菜だったと思います。日本人は安全な水道水とともに生活しています。そのため、海外にいったときには「こんな些細なことで!」と思うような原因で腹痛になり、せっかくの旅が台無しになってしまうことがあります。ぜひ、水の利用には念には念を入れて楽しい旅をなさってください。

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